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ながいけん「神聖モテモテ王国」7

モテモテ
ながいけん「神聖モテモテ王国」7
少年サンデー、ヤングサンデー掲載の未単行本化作品すべてが収録されたもの。「国王巡幸」のみ雑誌からのデータ作成(そのれ以外は原稿から作成)のため若干画質が荒いけれど、読みづらいというほどでもない。写真の通り表紙イラスト、カバーなどはなし。もはや1〜6巻が絶版状態で、小学館からマトモに7巻が出るとも思えないので、どんな形でもいいから読みたいという人間には特に問題ないと思う。

そんなこんなでモテモテ王国7巻。
これまでに比べてかなり前後編や数回に渡って続けられるストーリーが多い。こうなった今だから思うのかもしれないけれど、笑いのキレが少しずつ弱くなっているように見えた。一話完結で大爆笑の回と、普通に続き物の作品のようになっている回がある。
ファーザーの謎がオンナスキーに見え隠れする頻度が上がったからなのかもしれないが、シリアスともギャグともつかない展開が多い。ただ、その不安定さが案外癖になる。こうなってくると不条理に不条理を重ねたモテモテ王国が、上手く終わるはずがなかったのではないかとすら思わされる。少しばかり切ないような気持ちになりながら、それでも破綻していく様子を見届けられるのは幸せだ。

一つのテーマに散りばめられたギャグの数も減ったけれど、それでも相変わらず面白い。「諸事情により大事をとって事務所の名前は失念しました。…答弁を終わります」に噴いた。愛称キムタクのマンガが何を言うか。
同人女にモテたい、という話題から出たジオンでは男の友情の研究が進んでいる、も笑った。何かあったらジオン。

とにかく今は、決して読めないと思っていた未収録分が全て読めたので満足。ジークナオン!
購入はココ(コミックパーク内神聖モテモテ王国購入ページ)から。
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posted by: mngn1012 | 本の感想 | 22:59 | - | - |

純情ロマンチカ 第8話「旅の恥はかき捨て」

孝浩はとてもマトモでフツウの人だ。両親を若くして亡くし、自分の進学を犠牲にして弟との生活を優先させるという苦労をしながらも、あまり気負ったところがない。少し心配性だけれど、友人や恋人を大切にできる、誰とでも仲良くできるフツウの大人だ。そういう孝浩から見れば、ウサギさんというのは理解しきれないのだろう。
親友のウサギさんを親友だから言える遠慮のなさで批判する孝浩、そんな兄に怒る美咲、両方の気持ちはよく分かる。ウサギさんの本音を知り、不器用なウサギさんと一緒に生活しているからこそ庇いたくなる美咲はもはや最愛の兄よりもウサギさんを優先させている。
そして夜道、ウサギさんの良いところを探そうとしてひとつも見つけられない美咲。それでも嫌いになれないのが恋愛。美咲も遅ればせながら恋真っ最中。
井坂さんの回想!

とてもマトモでフツウの孝浩は、フツウの人の残酷さも持ち合わせている。家族を亡くした分、家族に対する希求は強い孝浩が、美咲に暖かい家族を経験させてやりたいと言う。家族の暖かさを知らないウサギさんに向かって。
ウサギさんの父親も兄も生きている。それにウサギさんに家族を味わわせてやるのは、親友のやるべきことではない。けれど、ウサギさんの孤独を孝浩は見ない。見ないふりではなく、ただ見えない。家族がいないひとの辛さを知っているのに、ウサギさんの辛さが見えない。ウサギさんの恋は叶うはずのないものだったと改めて思わされる。

そして電話のシーン。相手に気を使わせたくないから本音を言わないはずの美咲が、ウサギさんには少しだけ強く出る。決して本音は出さないけれど、ちょっとだけ頑張ってみる。なんとか自分の我儘が通用しないか、自分の願いが迷惑じゃないのかを探ろうとしていう美咲が健気でいい。最初に落ちた涙が微妙だったけれど、泣いているのをごまかす口調はとてもいい。ばーかばーか。
あったかい家族っていうのが分からないから、どうしたらいいのか教えてくれというウサギさん。美咲にだって分からないはずなのに、それでもどうしたらいいのかを二人で考えようとするあたりがウサギさんがウサギさんたる由縁なのだろう。一方的に暖かい家族を与えようとする兄から離れ、二人で擬似家族を作ろうとするウサギさんを美咲は選ぶ。大人になったということか、ウサギさんをひとりにできないと思ったのか、いえいえやっぱり恋なのです。

そして寝台車。テロップテロップ。まくらまくら!

ウサギさん、旅行するつもりだからきちんと着替えたんですね…。
個人的には着の身着のままボッサボサの頭で登場してくれたりすると萌えが増すけれど、それはまあ置いておく。

次はミニマム。エゴイストお預け状態は継続…泣くぞ。
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posted by: mngn1012 | その他やおい・BL関連 | 16:33 | - | - |

CJ Michalski 「たとえ囚われの恋でも」2

CJ Michalski「たとえ囚われの恋でも」2
祖父を恨む神崎によって陸の孤島に誘拐された穂澄は、ついにパーティの出し物として披露されることになる。それでも神埼を憎めない穂澄と、穂澄の健気さに徐々に気持ちを動かし始める神崎。

CJ Michalskiにしては非常にシリアス度数の高いこの話。昼ドラ並のドロドロ具合がたまらない。
自分が拒めば穂澄が何をされるのかを知っていて、それでも神崎の提示した条件を飲まなかった祖父。祖父に見捨てられた瞬間から、穂澄は神崎同様にかれの被害者になったのだと思う。もともとあの祖父の孫だというだけでさらわれた穂澄には何の罪もなかったのだけれど、のうのうと金持ちの生活を享受しているだけで神崎には憎かったのだろう。憎む対象がなければここまでこられなかった、というのもあるのかもしれない。
しかし同じように酷い目に合わされている穂澄は神崎を憎まず、自分を傷つける男に助けを求めた。この、「実際に酷いことをしようとしている(させようとしている)相手に助けを求める」「その相手しか自分を助けてくれそうな人がいない」というシチュエーションは残酷で好きだ。実際に助けてもらえるかどうかは問わない。
助けても助けなくても自己嫌悪に陥るであろう神埼の苦悩と、何の計算もなく助けを求めるだけの穂澄の温度差が切ない。好きだけではどうしようもないことを、それでもなんとか克服しようとする二人の必死さが良い。
穂澄の祖父の変化は驚いた。無理矢理まとめたような気もするが、祖父すらも憎みきれない穂澄にとってはここがぎりぎりだったのかな。

広岡主役の番外編「たとえ広岡の恋でも」はうってかわって軽いタッチ。このタイトルのセンスがいいなあ。
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posted by: mngn1012 | 本の感想(BL・やおい・百合) | 21:58 | - | - |

木原音瀬「NOW HERE」

木原音瀬「NOW HERE」
ある朝福山が自分の部屋のベッドで目を覚ますと、隣に裸で寝ていたのは会社の経理部部長の仁賀奈だった。根っからのゲイで、初対面の相手と夜を共にすることも多い福山だが、どちらかといえば若い子が好みだった。それなのに、仁賀奈はもうすぐ51歳になろうというどこにでもいる中年で、誰とも付き合ったことすらないと言う。恋愛経験のない仁賀奈をからかうつもりで福山は、かれと付き合い始める。

31歳×50歳。50歳の趣味はバードウォッチングです。仕事中はアームカバーをつけています。モロ中年です。鈴木ツタの書く中年はちっとも格好よくなくてすばらしい。ちょっと情の薄そうな男も素晴らしい。

酒の所為でその夜の記憶が全くないのを良いことに、福山は全てを自分に都合よく考えてしまう。相手は自分のことが好きなのではないか、そうでなくても若くて容姿も整っている自分と付き合えるのだから嬉しいはずだ、と。愛されているものの自信と優越感を持って福山は仁賀奈の相手をする。初めは誰とも付き合ったことのない可哀相な中年相手の施しだったさまざまな行為は、徐々に「こうすれば喜ぶだろう」と思うから起こすものに変わっていく。
それが「喜んでほしいからする」にたどり着くのにそれほど時間はかからなかった。福山が自分の気持ちを理解するシーンがとても自然でいい。発端が何であれ、恋をするのはいつだって一瞬だ。『美しいこと』で松岡が寛末を好きだと気付くシーンもとてもよかったけれど、こちらも甲乙つけがたいくらい良い。いつもと何ら変わらない日常のふとした瞬間、傍から見ればくだらないと一笑に伏されるような些細なことで世界が一転するさまが見られるのは、恋愛物の醍醐味だと思う。

何もかもがうまくいっているような日々の描写を読み進めるに連れて、いつ絶望に突き落とされるのだろうという不安に駆られていく。何が起こるのだろう、もしかしたらこのまま上手く行くのだろうか、いやいや木原音瀬なんだからそんなわけはない、「NOW HERE」は「NO WHERE」でもあるから、と勝手に葛藤して手が止まらない。最終的には上手くいくという、殆どのBLで大前提になっていることすら通用しないのが木原音瀬だ。最後のページの最後の行まで全く気が抜けないということは、物語を読む上ではとても贅沢だと思う。

案の定二人の関係は一筋縄ではいかない。リセットされた関係を諦めきれずにありとあらゆる行動に出る福山がいい。紳士的な行動、卑怯な行動、無様な行動、あらゆる手段で仁賀奈の気持ちを自分のほうに向けようと努力する。やめたいと思っても、忘れたいと願ってもどうしようもない。途中から福山は仁賀奈の年齢や容姿や経験不足を気にしなくなっている。この歳だからこうだ、ひとと付き合ったことがないからこうだ、と型に填めるようにして考えてきたはずなのに、一度突き放されたことで福山は仁賀奈を単純に好きなひととして見ることができた。無理矢理に関係を断ち切られたことは、福山にとっても良いことだったのだろう。

そしてラスト。気持ちと反対のことばかり言う仁賀奈がいい。馬鹿丁寧な敬語を崩さず、自分が傷つくことを防ごうと物分りの良い大人のふりをする。見た目にふさわしい、枯れた中年のふりをして、内側に秘めた気持ちを覆い隠そうとする。そのさまはまるで思春期の少年のようで、ぎこちなくて初々しい。ギャップがいい。
とりあえず表紙が分かりやすい踏み絵になっていると思うので、この中年でも大丈夫だと思えば、是非。
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posted by: mngn1012 | 本の感想(BL・やおい・百合) | 17:49 | - | - |

ドラマCDとキャラソンCDと。

7/23
『MISSION-2306』―「機動戦士ガンダム00」アナザーストーリー―
脚本:黒田洋介、監修:水島精二
世界から紛争をなくすため、民族、国家、宗教を超越した作戦行動を展開する私設武装組織ソレスタルビーイング。そのソレスタルビーイングよりガンダムマイスター、刹那・F・セイエイに新たなミッションが与えられる。それは、化石燃料輸出量規制監視機構の重鎮であるバリー・ハレヴィ氏暗殺の防止だった。その一環として、ハレヴィ氏の愛娘ルイスにテロ組織からの危害が及ばないよう、監視&護衛の任につくこととなる。だが、転入したハイスクールには刹那の想像を超える一癖も二癖もある人物たちがいた。三角関係!?や変態教師!?に翻弄されつつ、刹那は無事要人警護を達成することができるのか…??

HPから転載。
やっとドラマCD!!正直一期の終盤からドラマCDがいつ出るのかと期待してたので、ようやく、という感じ。刹那メインでルイスが関わってくるのはいいとして、変態教師って何だ…。本筋はあのままで、ちょっとドタバタっぽいのかな。ともあれ楽しみです。

8/13
「宮野真守 come across 刹那・F・セイエイ」
キャスト自身がそのキャラクターに宛てたメッセージCD。
楽曲提供:Skoop On Somebody

キャラソンに至っては序盤から待っていたので嬉しい。個人的にはキャラソンは気恥ずかしい類のアニソン然としたものが好きなので、SOSはちょっとオシャレすぎる気もするけれど、宮野さんの歌唱力なので聞き応えはありそうだ。今後も第二弾、第三弾と出るようなので楽しみ。
メッセージCDというのがよくわからないけど、とりあえずわくわく。

オフィシャルファイルは一期終了。
三木さんが「グラハムは(戦う)信念がないから嫌い」と冗談めかしつつ言っていたのが印象的だった。そういわれると、いまひとつかれは何のために戦っているのかはっきりしない。勿論戦争に巻き込まれた殆どのひとは確固たる理由などないままに召集されて前線に送り込まれ、そうやって戦ううちに戦いの中で理由が出てくるのだろう。「仲間の仇」「家族が殺されないため」「自分が死なないため」というダリル・ダッジたちの掲げていた理由たちは、本来戦争がなければ生まれなかった理由でもある。
グラハムはどちらかといえば昔の騎士・武士的な感じなのかな。良くも悪くも死を計算に入れていない、結果を想定せずに戦うために戦っているようだ。サーシェスは戦争が好きだと自覚しているけれど、グラハムは終わらせるために戦っているかな。あまり深く戦争について考えていないのかも。

アニメ誌の高河ゆんのインタビューで、ティエリアについて心が「弱っ」と言っていたのにちょっと噴いた。ですよね…。
ガンダムエースの付ポスターにゆん絵のマイスターたち。やっぱりこのひとの絵は好きだ。

全然関係ないけれど、ティエリアがヴェーダのインプリンティングから解放され、一度卵の殻に戻って、次に見た親鳥がロックオンだと思っているのだが、ロックオンはティエリアが初めて見た「他人のために行動するひと」だったんじゃないのかな。本来は他にもそういう人はいるのだが、ヴェーダに妄信的だったティエリアは気付いていないだろうし。
「自分を犠牲にしてでも、他人のために行動できるひと」「自分を苦しめた他人を許すことの出来るひと」というか。しかしながら自分の罪の重さを知りながらも犯行を重ねる面も持っているので、刷り込み相手としては一番マシだったような、一番タチが悪かったような、微妙なところです。
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posted by: mngn1012 | 機動戦士ガンダム00 | 01:41 | - | - |

高橋ゆう「王子と情人」

高橋ゆう「王子と情人」
海運王の跡取り息子マイロと、異父兄で容姿だけが取り得の英喜の物語。英喜の誘惑で始まった許されない関係は、二人が大人になっていくに連れて周りを巻き込んでいく。

「秘書と野獣」「スーツを着た悪魔」に続くひとでなしシリーズ第三弾。
ギャグ多めのこのシリーズの中で、この二人の話だけが抜きん出てシリアスで陰気なのは、セレビッチ・英喜が足りない頭で考えれば考えるほど悪い方向にしか行かないからだろう。本誌だけではなく、裏表紙にもセレビッチの呼び名を採用した花音はすごいと思う。この表紙も凄い。マイロのカフスがなんかよくわかんないでっかい宝石!

マイロは英喜が大好きだ。それはもう、寸分のブレもなく、真っ直ぐな気持ちで好きだ。好きだから一緒にいたい、自分が幸せにしたい、英喜といることで自分もまた幸せになれる。英喜が自分の傍で幸せになってくれたら、この上ない幸せだ。大企業の跡取りに相応しい能力を既に持ち、実力も自信も兼ね備えているマイロの足元は揺らがない。それはマイロの生まれと努力・才能の結果なので、その結果マイロが英喜の心を理解できなかったとしても、かれを傲慢だと言うことは難しい。
崩れるなんて想像すらできないような堅固な土台の上に立ち、英喜を好きだというマイロに比べて、英喜は不安定な磁場にいる。自分がこの先どうなるのかが、殆どの同世代のひとと同じようにかれには分からない。自分の容姿が良いことも、男女問わず惹き付けることも知っているけれど、それで一生渡っていけるほどに卓越しているわけではないことも知っているのだろう。

今はマイロのほうが愛情がつよくても、いつか捨てられて傷つくのは自分なのだと、英喜は直感的に知っている。年齢か、育ちか、先天的な性格なのか。英喜はそのことに気付き、傷が浅いうちに離れようとする。けれど、そう思ったときには既に遅かった。自分からの電話に声をはずませて喜ぶ17歳の弟を、自分よりも愛してしまっていた。マイロへの気持ちを自覚し、マイロからの愛情を確信し、英喜は泣いた。自分たちの先にあるものがどんなものなのか、かれは知っているからだ。英喜のことについてだけ、マイロは普段の秀才のままではいられない。英喜の気持ちに対して非常に鈍感になったりもする。それまで一度も電話をしてこなかった英喜がいきなり電話してきたことを疑いもせず、おもちゃを貰った子供ように屈託のない笑顔で喜んでいる。恋する相手の前でだけただの少年に戻るマイロは健気で可愛く、普段のかれがあまりに大人びているだけにギャップがどこか哀しくもある。あらゆるものを手にしているはずのマイロの、どこか不安定な感情表現が歪で良い。本当にマイロには英喜しかいないのだと思わせる。

自分に会いに来た英喜に抱きつくマイロを、どこか英喜は冷静な目で見つめている。これから自分たちの身に起きることが何なのかを知っているからだ。それが何よりもマイロの、引いては自分のためになると信じていてもなお、心が冷えていくような瞳をしている。この微妙な心の揺れが切なくてたまらない。
もはや自分よりもマイロを大切に思うようになった英喜はマイロのためにある提案をする。自分がぼろぼろになっても構わない、マイロが苦しまないようにと出したそのアイディアがマイロを何よりも傷つける。マイロの態度に「俺はまたひどい間違いを犯したんだろうか」と英喜は感じるけれど、何がどうかれを苦しめたのか分からないままだ。
自分の不幸はマイロの不幸であることを、まだ英喜は知らない。

同時収録の弁護士と御曹司は相変わらずのアレ。オールキャストの江戸時代パラレルはバカらしくてドタバタでいい。キレイな絵でハイテンションのギャグと、救いの見えないドシリアス。どっちも面白い。
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posted by: mngn1012 | 本の感想(BL・やおい・百合) | 23:11 | - | - |

明日くたばるとしても

ようやくJane夏のボレロを引き取った。
ボレロ
半袖のボレロを探していたので、一もニもなく食いついた。背中にリボン。下のボタンは填めても外しても使えるときた。黒も買えばよかったかな。

八月の納涼歌舞伎@歌舞伎座は、「鼠小僧」以来久々の野田秀樹演出。しかもヴェルディの「アイーダ」を題材にした「野田版 愛陀姫」なんていうとんでもないものをやるということで、タイトルだけで鳥肌が立った。見たすぎる。
「研辰の討たれ」のときは駄目元で会場まで行って奇跡のキャンセル分が出たので入れたのだが、今回はチケが取れるといいなあ。テニミュ東京と日程が被っているので、上手く行けば両方合わせて上京できるけれど、とにもかくにもこのDVDにはならないであろう舞台を見ないことには夏が越せないくらいの気持ちになってきた。思いつめやすいです。

見たいものがあるうちは大丈夫。よし。
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posted by: mngn1012 | 日常 | 23:33 | - | - |

雁須磨子「幾百星霜」1

雁須磨子「幾百星霜」1
女学校に通う長身の杉内さんと、気が強くて目つきの悪い滝さんはとあることから親友同士になる。杉内さんがその背を理由に一方的に許婚の家から破談を言い渡されたことに怒った滝さんが、顔も知らないその許婚を見に行こうと言い出して…。

あああかわいいかわいいかわいい。超かわいい。もうどうしていいのかわからないくらいかわいい。皆かわいい。血が煮えたぎりそうなくらい可愛い。
おっとりした良家のお嬢さん杉内さんと、せっかちで口が悪い滝さんのでこぼこコンビはとてもバランスがいい。傷つきやすいように見えて実は案外肝が据わっているのは杉内さんで、滝さんは考えるよりも先に行動を起こして自己嫌悪に陥るあたりが愛らしい。杉内さんのあまり深くものを考えないたちが上手く作用して、滝さんの暴走を適度に緩和させている。ないものねだりする二人。
勝手に親に破談にされた元許婚は確かに杉内さんよりも大分小柄で、いかにもお坊ちゃまな甘さと芯の強そうな部分が共存している。かれに纏わりつく下女にも色々と事情があるし、暴君のような姉もまたいい味を出している。

でこぼこコンビが多くのひとが見過ごしてしまうようなこと、気にもとめないようなことをひとつひとつ救い上げて消化していくさまがいい。大きな事件が何も起きなくても、少し意識を解放させてやれば、世界には驚くことがまだまだ残っているのだ。
中でも顔のうぶ毛の話が最高。杉内さんは確かに濃そうだ…そういう細部も含めた「こういう人いるよね」感。やっぱり雁須磨子はすごい。

とにかくかわいい!
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posted by: mngn1012 | 本の感想 | 23:28 | - | - |

中原アヤ「ときめき学園・王子組」

中原アヤ「ときめき学園・王子組」
私立ときめき学園に在籍する四人の王子のオムニバス。自分が大好きで生活能力が皆無のぴかぴか王子、過ぎるほどに真面目なめがね王子、可愛いのが売りのはちみつ王子、イベント大好き生徒会長おまつり王子それぞれの恋を描く。

「私立ときめき学園」というふざけた学校名に負けず、ふざけた二つ名をつけられた王子たちがとても魅力的。どの王子もイマドキっぽいのだが、実は普遍的な少女漫画のヒーローたちだ。王道を行く王子たちが一話読みきりという非常に贅沢な使い方をされている。短編なのに十分キャラが活きていて、物足りなさがないあたりはさすが。女の子も甲乙つけがたいくらいに可愛いんだこれが。

人一倍容姿が整っているぴかぴか王子は完璧に見えて実は自分のことが何もできないだめだめ男だ。それを唯一知っている幼馴染みの前でだけ、素の自分に戻れる。ここまではありがちなのだが、その中身が空っぽのぴかぴか王子が実は案外したたかだったりもして。二転三転するギャップがいい。
抜きん出て眼鏡属性はないのだが、めがね王子が一番面白かった。応用がきかないほどに真面目で成績が良い西野が、実は世間知らずでどじっこなのが良い。カラオケに初めて行っていきなりハマった王子が、学園祭の出し物を決める際に、カラオケに票が入るたびに無意識に笑顔になるあたりが可愛すぎる。
はちみつ王子は一般的に言われる年下男子のいいところを集めたようなオトコノコ。可愛い子が見せる男らしさに翻弄される先輩、という王道展開。中原アヤは可愛い男を書かせると素晴らしい。人望が厚く誰にも思いつかないような案をばんばん出すけれど、細かいフォローが苦手なおまつり王子は丹羽会長を思い出した。こっちは王様だけど!
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posted by: mngn1012 | 本の感想 | 23:15 | - | - |

楽田トリノ「愛なんて食えるかよ」

楽田トリノ「愛なんて食えるかよ」
兄と一時期関係のあった教師・寒川に何度邪険に扱われてもめげず、かれの職場に手作り弁当持参で通いつめる重行の物語と、重行の兄でスクールカウンセラーの和成と、一見おとなしそうな音楽教師の木下の物語など。

松田円名義でも活動中の作者の初BL。
まず草間さかえの帯がいい。眼鏡からビームを出した木下が「俺と寝ない男は滅べ!」と笑顔で言っている。最初に見たときはなんだこれ、と思ったのだが、読み終えると納得する。何の誇張表現もありません。

まずは若さと勢いと情熱でとにかく押し捲る重行に、次第に心を許していく寒川の初々しい恋愛がいい。無事にお付き合いを始めてからもなかなか関係はそれ以上に進展せず、とんちんかんな夢を見ては不安に駆られるお互いが情けなくて格好悪くていい。自分が年上であることを不安に思う年上と、自分が年下であることを不安に思う年下。傍目にはおめでたいノロケにしか見えないけれど、どちらも真剣そのもので、思わず応援したくなるいじらしさがある。
そしてそんな弟とは正反対の意味で難易度の高い相手に捕まった兄。独特のセンスでピアノを弾く、温和で気の弱そうな木下の被っていた仮面が剥がれてからいきなり面白くなる。和成の家の前で待っている木下の眼鏡の奥の目は見えず、効果音は奇妙な冒険並みの「ゴゴゴゴゴゴゴゴ」である。「目からビームが出そうだな」と和成に言われても動じない。本当に出るんじゃないだろうか。怪人木下の襲い受けっぷりと、失敗っぷりがいい。大人だから、いっそくとびに素直にはなれない。笑いに代えて、何でもないことのふりをして、相手との距離を測る。
笑えるけれどちょっと切ない、バランスが絶妙。

カバー裏もお忘れなく。
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posted by: mngn1012 | 本の感想(BL・やおい・百合) | 23:59 | - | - |