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山田ユギ「死ぬほど好き」

山田ユギ「死ぬほど好き」
電車に偶然乗り合わせた親友柳とその幼馴染みに訳も分からないまま誘われて、そのまま旅に出た江藤。数ヶ月前に江藤がいきなり告白したことがきっかけで、疎遠になっていた柳との気まずい旅が始まる。

高校卒業間近の江藤と柳の物語、モテ男とくたびれたゲイのおやじの社内恋愛、大学の漕艇部の先輩後輩、同期のサラリーマン、高校生と予備校講師など短編集。

山田ユギに課されたハードルは、旧作が優秀だっただけにとても高いものになっている。そこそこ面白い程度では許されないような雰囲気がある。知らない作家だったら文句ナシだけど山田ユギにしてはイマイチ、という評価が下されることもままあるのは、それだけ山田ユギという作家との出会いが鮮烈だったということだろう。その衝撃が忘れられず、いつまでも過剰な期待をせずにはいられないのだ。
作品全体を通した印象として、以前に比べると職業を中心とした恋愛以外のことに対する描写が丁寧になってきたと感じる。その分恋愛描写の勢いや瞬発力は落ちたように見えるかもしれない。
ただそれでも、全部含めて、やっぱり面白い。山田ユギは男の女々しさを書くのがとても上手い。性別受のような女の子っぽさではなく(それも好きなんだけど)、その辺の男の子や男のひとの女々しさが溢れている。切り替えの早さや諦めのよさ、たくさんの言葉を必要としないあたりもとても男性的で、女々しさとのバランスが良い。言葉が少ないからこそ、ふとした一言や表情がとても雄弁で効果的。やっぱり山田ユギはとてつもなく面白いのだ。

表題作「死ぬほど好き」で、自分にだけ優しくない柳に対する江藤のモノローグがストレートでいい。そういう気持ちを決して言葉に出さないから、暗くなり過ぎなくてうまいと思う。それとは反対にネガな柳が続編の「好きすぎて嫌い」で喧嘩して別行動しているときに、電車の中で隠れてキスしたことを回想するところも好きだ。ちっとも格好よくないからこそ、とてもリアルで切ない。

短編+その続編も悪くないけれど、そろそろまたきっちり「続く」マークがあるような連載も読みたい。麗人では無理だろうが。色々連載もあるようなのでコミックスになるのを待とう。
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posted by: mngn1012 | 本の感想(BL・やおい・百合) | 21:59 | - | - |

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