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木原音瀬「美しいこと」下

木原音瀬「美しいこと」下巻。
待ってました!下巻の表紙も好きだ。あまり挿絵を重要視していたのだが、こういうのっぺりした絵のほうがアクが強くなくていい。寛末にしては格好よすぎる気もする。ちゃんと盤面の青い腕時計をしているあたりもナイス。

最悪の別れのあと、望んでいないのに頻繁に出かけることになってしまった松岡と寛末の微妙な関係がもどかしい。
正体が明らかになってからの松岡と寛末の関係は、両思いと片想いの間のような曖昧な名前しかつけられない関係だった。告白の結果は、必ずしもイエスとノーしかないわけではない。イエスというほどではないけれど、ノーと言って突っぱねるほどでもない。だからと言って無関心なわけでもない。自分の心がはっきりと言葉にできるくらい理解できている人間ばかりではないのだ。
作者もあとがきで書いていたけれど、寛末という男の心情が卑屈で煮え切らなくずるいので読んでいてとにかく苛立ってくる。言いたいことは言うくせに、都合が悪くなると嘘はつくし、逃げたりもする。かと思えば強引に振舞って、最後の最後で一歩引いてしまう。松岡が気持ちを伝えている分、はっきりとした態度をとらない寛末はとても残酷に思える。
勿論多くのひとにとっては生来恋愛対象にしていなかった性別との恋愛には、かなり高い壁が聳え立っているだろうし、簡単に乗り越えられる問題ではない。愛されていて、決定権は自分にある居心地のいい関係のままでいたいという気持ちは残酷だけれど、分からないわけではない。だからこそ寛末の本音は生々しく、いつまでも答えの出ない友人の愚痴を延々聞かされているような気持ちになる。このイライラが募れば募るほど、うまくいったときのカタルシスは大きい。
しかしながら木原音瀬。普通ならばこの本は下巻なので、まあどうせ上手く行くだろうと鷹をくくって読めるけれど、何と言っても木原音瀬。最後の1頁で大きく話をひっくり返すことも辞さない木原音瀬。想像の斜め上を行ったり来たりする木原音瀬。というわけでエンドマークを見るまで気が抜けなかった。最後はまあまあよかったのではないかと思う。上巻が良くて期待しすぎた自覚はある。

最初はキレイな男だった松岡が、メガネヒゲになったあたりが結構ツボ。最後のメールの文章もかわいい。小冊子の応募もするぞー。
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posted by: mngn1012 | 本の感想(BL・やおい・百合) | 00:44 | - | - |

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