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SHOOWA「縄がなくてもだいじょうぶ」

SHOOWA「縄がなくてもだいじょうぶ」
活動していないオカルト部に籍を置く佐々木は、おとなしい謎の後輩幾三と二人で行動した夜をきっかけに、かれに懐かれてしまう。

本筋に関係あるようなないような、とりあえず唯一無二であることは間違いない設定の組み合わせ。ひとつひとつも珍しいのだが、それを何故組み合わせた…と問いただしたくなる。活動したことのないオカルト部、縛ることが好きな内気な後輩、到底BLマンガの主人公とは思えない適当な顔の先輩、妙にシリアスな(けれど妙に簡単に解決する)家庭内不和。さほど大事ではないカエルのぬいぐるみが表紙に出張っているし、裏表紙の「描き下ろし憑き」のドヤ感も見逃せない。
折角ようやく注目され始めて、絶版状態だった本も新装版で出し直して、満を持した新刊がこの表紙かよ、とか言いたいことは多々あるんだけれど、それも含めてSHOOWA作品という感じ。SHOOWAさんの作品の中で順位をつけるなら個人的には下から数えて1番目か2番目だけど、それでもなんだかんだで読ませるところやぐっとくるところが押さえられている。

お人よしで頼まれ事を断れない佐々木は、オカルト部に何の興味もないのに籍を置いている。内申点のために夜の学校でミッションをクリアすることになった部員一同は、手分けして行動することになった。その時に佐々木と組まされたのが、ぬいぐるみを抱えて行動し、何を考えているのか分からないと教師にまで言われる後輩・幾三である。
不思議ちゃんな幾三が何を考えているのかよく分からないが、どうもかれは以前から佐々木に関心を示していたらしい。「センパイを縛りたい」と言うかれは、どこからともなく現れた縄で佐々木を縛る。そしてかれらの中には、「ほんの少しだけ」なにかが「芽生えた」のだ。ええい自分で書いていて全くあらすじが伝わらない自信がある!でも本当に幾三が「縛りたい」と願いを口にすると、するすると縄が現れるんだ…。

そんなきっかけではあったけれど、ともかく物事が少し動いた。最初の第一歩が、非常に奇妙なかたちではあるけれど、踏み出されてしまった。そうなると、思春期の学生たちの繊細で不器用な恋が始まりだすので不思議。オカルトも縄も消えたわけではないのに、何を考えているのか分かりづらい後輩に迫られて戸惑ったり、自分の考えすぎではないのかと思ってみたりしながらも、その後輩のことばかり考えてしまうひとりの男の話になる。
見るからに裕福そうな家に暮らしている幾三は、夫を悪しざまに言う母と二人で暮らしている。夫が許せない母は、息子である幾三にも「ロクデナシの血」が流れていると言い放つ。おそらく普段から母子関係はないに等しいのだろう。狭いけれど仲のいい、いわゆる一般的な家庭で育ってきた佐々木とは正反対だ。まだ幼さの残る弟と二段ベッドで寝ている佐々木の日常から、かれの性格が見える。
複雑な家庭で育った、一人遊びが得意でおとなしい幾三。にぎやかな家庭で育った、人に譲ることや願いをきくことに慣れた長男の佐々木。ありふれた二人のありふれたエピソードは、オカルト部の後では安心して読める。
ぎこちない恋愛も、その後は非常に順調。自分のことが好きな幾三に、最初は流されているような感じがあった佐々木も、次第に自分の感情が恋愛であることを自覚する。自覚して、向き合って、恋愛が始まる。二人の恋自体はほぼ起承転結がないというか、順序良くステップアップしていっただけである。その「だけ」の話をここまで独創的なものにするのはさすが。


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posted by: mngn1012 | 本の感想(BL・やおい・百合) | 10:32 | - | - |

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