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劇団☆新感線・2012越冬興行 SHINKANSEN★RX「五右衛門ロック ZIPANG PUNK」12:30公演@東急シアターオーブ


作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
作詞:森雪之丞

石川五右衛門:古田新太
明智心九郎:三浦春馬
猫の目お銀:蒼井優
シャルル・ド・ボスコーニュ:浦井健治
春来尼:高橋由美子
蜂ヶ屋善兵衛:村井國夫
豊臣秀吉:麿赤兒

***
「五右衛門ロック」、「薔薇とサムライ」に続く第三弾。薔薇サムに関しては、五右衛門ロックを見なくても問題なく楽しめると思うが、今回の「ジパングパンク」は薔薇サムを見て備えたほうがいいというのが個人的な意見。勿論作品中で補足はされているけれど、かなり話の深いところに薔薇サムが関わっているので、不十分に思えた。第一弾の五右衛門ロックも可能なら見ておくとなおよしだと思います。

長い、濃い、笑い沢山アクション派手目、のお祭り騒ぎだった。全体的に1.2倍でやっております、という感じ。年末年始の時期にちょうどいい、ただしい娯楽作品だったと思う。個人的にしばらくメンタルがくすぶっていたので非常に良かった。どんちゃん騒ぎ極まれり。

***
猫の目お銀と賽の目金次の盗人兄妹が仕組んだ噂に乗っかって、津雲寺という古い寺にある黄金目玉像を盗み出すことを決める石川五右衛門。寺の尼僧・春来尼や京都所司代盗賊目付探偵方・明智心九郎とその部下たちの眼をかいくぐり、黄金目玉像を手に入れる。
しかしそれ自体は高価なものではなかった。仏像は、黄金のありかを示す鍵だったのだ。日本に黄金があると知ったマローネ・アヴァンギャルド公爵夫人は死の商人アビラともども、堺の商人である蜂ヶ屋善兵衛と組んで、黄金目玉像を盗むように兄妹に命令していたのだ。そのことを知ったアンヌ・デ・アルワイダは、五右衛門に知らせるようシャルル・ド・ボスコーニュを日本へ送っていた。
朝鮮出兵を命じた老齢の豊臣秀吉には、かれに仕える生真面目な石田三成、派手好きの傾き者である前田慶次という部下がいる。黄金目玉像に導かれて手に入れた黄金を利用して豊臣に一矢報いたいと反旗を翻す心九郎は、かれらを敵に回して勝ち目があるのか。アンヌが伝えた「永遠と黄金の国」の意味とは何なのか。

「薔薇とサムライ」よりアンヌとシャルル、そしてマローネが登場する。また「五右衛門ロック」からはアビラが再登場。アビラについては本作中でも説明される「五右衛門に痛い目にあわされた武器商人」くらいの知識があればいいかなと思うのだが、薔薇サムの方はなかなか複雑に絡み合っている。
マローネの恨みやアンヌ・シャルルのキャラクター、五右衛門との関係性が補足されきっていないし、マローネの行動はお約束・テンドンが多いので、薔薇サムを見ておいたほうが面白いと思うのだ。また脱いだ!とか、またお尻から攻撃した!とか、またお尻に何か刺さった!とかそういうの。

前回よりもあらゆる意味でパワーアップしていたシャルルがとってもかわいかった。安土桃山時代の日本に一人トリコロールでスパンコール!金髪縦ロール!アイシャドウ!いきなり歌い出すところや、意味もなくターンするところは相変わらず。話声もずっと残念だし、細かいリアクションや表情なんかもいちいちうざ残念で面白かった。
複数に襲われかけているところを通りがかった慶次に助けてもらったシャルル。お互いに派手な服を着ていることで一気に意気投合したふたりの歌う「派手好きが世界を救う」が大好き。二人の派手好きの兄弟杯!その場に居合わせた春来尼もハイテンションで混ざって、五右衛門だけが冷静なツッコミを入れていたのだが、あんただって十分派手だよ…。

村井さん演じる善兵衛の派手っぷりも格好良かった。アイメイク濃くてエリマキトカゲのような銀色の衣装で歌う「商人・ザ・スーパースター」がすばらしい。この商人には多かれ少なかれアビラのことも含まれているのだ。

視覚的に凄かったのはモヒカン黒ずくめで大きな鎌を持ったメタルさんの死神右京。「PEACE MAKER鐵」の膕をやるならこの人しかいないと思いました…べつにやらなくていいけど…。
あと村木さんと逆木さんの金太郎コスプレがすばらしかった。おじさん幼児の破壊力すごい。幕間の休憩に入った瞬間に再び登場するので、そこだけ見てから休憩に出て!あと村木さんは番頭福助も面白かった。立派な屋敷に案内されて声も出ない金次・お銀兄妹に向かっていきなり「まあまあです」「触らないでください減りますから」って声をかけるところで超笑った。

明智心九郎は三浦春馬。「探偵」方という役職や、部下が「小林小女(少女ではない)」「少女探偵団」であることから明智小五郎にインスパイアされたキャラであるようにミスリードされているが、実際は秀吉によって滅ぼされた明智光秀の息子である。
京都所司代で忠実な職務を果たしているように見せておきながら、実は裏で善兵衛などと繋がり、秀吉を撃つ機会を待っていた。黄金を手にしたのをきっかけに、かれは堺を武装都市に作り替えようとする。
序盤の心九郎は理屈っぽい残念なイケメン、中盤は復讐の鬼と化した男、そして終盤は夢破れたひとりの青年へと変化してゆく。三浦春馬ってきちんと芝居をしているところはあまり見たことがなかったのだが、そつがなくて上手い。若さやスタイルのおかげもあるだろうけれど、アクションもきれい。アクションで、相手の集団の背中をひょいひょい飛び越えてジャンプしていたところに驚いた。アミューズの人たちはすごいなー。心九郎は、イケメン人気俳優三浦春馬がそれだけではないことを非常に分かりやすく知らしめる役どころだったと思う。
最後に計画が失敗に終わり、騙されていたことを知った心九郎の叫びが好き。

麿さんの秀吉もよかった。服着てる麿さん久々に見たよ。やっぱり今回も白塗りだったけど!
天下を手にした秀吉は、自分の行動を正当化しない。国のためだとか民衆のためだとか言わない。自分が楽しいから、やりたいから、遊びたいから。エゴを通せる立場を手にしたかれは、全力でエゴを通す。やっていることは決して肯定できないが、すごく格好良い。
おなじみ意地悪で嫌味な腹心役の粟根さんだったけど、今回の三成は裏の顔のない男だった。どこかで誰かを裏切ったりするのかと思っていたのだが、ただ言葉にしているままに秀吉に危険を齎すものを排除しようとしているだけの、愚直な男だった。どこまで秀吉に付き合うのか、と最後に慶次に問われた三成が、最後まで、どこまでも付き合うのだという覚悟を見せたのが良かった。秀吉がもう長くないと知っていて、それでもかれの朝鮮出兵という「遊び」を止めない。最期の瞬間まで、付き合い続けようとする。歴史的にそれほどクローズアップされない・評価の高くない三成だからこそ、のキャラ作りなのかな。

今回のボスは善兵衛だけれど、実際のところ一番喰えないのは春来尼だった。空海の教えに従って寺を守っている彼女は、小柄で明るい天然キャラの女性だ。常に食べるものを奨め、ダジャレやギャグを繰り返し、人のギャグにも乗る。彼女の正体は、いつから生きているのかも明らかではない、不死身の尼僧だった。不死身になるおにぎりを食べた彼女は、かつて生き倒れていた秀吉少年を救った。そのあとも、仏に仕えるものとして、嘘を一切つかず、誠実に、津雲寺と財宝を守り続けた。高橋さんのそもそもの年齢不詳っぷりや歌・芝居に、尼僧の衣装が加わって、春来尼は非常に得体のしれない存在になっている。決して敵ではないけれど、本当の意味で味方でもない。喰えない女だ。

不死身のおにぎりを手にした秀吉は、しかしそれを食うのを辞めた。この年齢で、この弱り切った肉体で永遠の時を生きること、に意味を見いだせなかったのだ。今やっている「遊び」を決して辞めない男だが、いずれそう遠くないうちに来る死を迎える覚悟はあるらしい。そのあと、自分の「遊び」を止めることも決めている。
朝鮮出兵を止めようとする五右衛門の「禍根が残るぞ」というせりふがなかなか重い。

基本的にはバカ騒ぎで明るく楽しく元気よく、な作品だった。カーテンコールでシャルルの格好したウラケンと、白塗り殿様の麿さんが並んで踊ってる景色が素晴らしく異世界。







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posted by: mngn1012 | ライヴ・舞台など | 16:26 | - | - |

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