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J GARDEN新刊

・一穂ミチ「マイネームイズレッド」
「雪よ林檎の香のごとく」の番外編。赤色にまつわるタイトルがついた掌編が数本。真っ赤な表紙は、白シャツの志緒と桂。たとえ志緒が成人しても大学生になっても、高校のときの制服のカッターがいい。桂は桂で、先生としてのスーツのカッターがいい。
「Saturday night paralysis」「春情終夜」に続く、志緒のはたちの誕生日の物語「ヴァーミリオン」は、ホテルのディナーをキャンセルしたあと部屋へ急いだふたりの、そのあとの話。0時をまわって誕生日を迎えた志緒に、桂はプレゼントを渡す。何が欲しいか問われて悩んでいた志緒は、結局ディナーのキャンセルをプレゼントに決めたわけだけれど、それとは関係なく、桂はプレゼントを用意していたのだ。
判子。印鑑登録したり口座を作ったりする判子を貰うというのは、志緒が言っていた通り「すごい」ことだ。こういうものをあげるところが桂の(年の離れた)年長者らしさで、かれ自身完全には把握しきれていない重さだろう。そしてそれをきちんと理解した上で、重さを受け取れる志緒の度量と、昂揚する幼さのアンバランスさが凄くいい。
判子にまつわる思い出話もすごくすてき。自分たち(というよりは桂が一方的に)が決めたことだとは言え、抱き合えないことに焦れていたふたり。だからこそちょっとした会話とか、なんでもない接触が大切で、社会科見学の色気のない美術館みたいなところでも簡単に衝動に火がつく。意図せずラブレターになった志緒の感想もかわいい。
あと、提出物の返却にいちいち判子を押して、それで気持ちを入れ替えていたという桂のエピソードもすごくすき。卒業生に成人式に電報をうつ桂、と非常につながる。軽口きいてばかりのちゃらんぽらんんでへたれな先生に見えて、きちんと「学校の先生」なのだ。

「変なところでナイーブ」な桂を、何も知らない志緒の機転がなぐさめる「カーマイン、クリムゾン」と、電車のホームに自分を戻してひとり帰って行った志緒の家に向かう桂が、北海道での朝を思い出しながら歩く「スカーレット」、色々不慣れな志緒がかわいい「マイネームイズピンク」もあり。
ナナカマドの実のいわれに志緒をだぶらせるところが好き。

・和泉桂「夢のまた夢」
発売前のブログでも、本編前のまえがきでもとにかく夢オチだということが告げられている、深沢と伏見と冬貴の本。なので夢オチです。このろくでもない夢を見ちゃうのは勿論和貴さまで、それを素直に深沢に話して、いっそこれも夢なら良かったと思うような目にあわされます。いつものことです。
深沢と冬貴は、かつて接近しているところを和貴が見てしまってやきもきしたというエピソードがあったけれど、いざ実践しようと思うと(夢の中だけど)こういう温度にしかならないんだろうなあ。深沢さんの貞操観念?はすばらしい。

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posted by: mngn1012 | 本の感想(BL・やおい・百合) | 12:24 | - | - |

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