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CLAMP「GATE7」1

CLAMP「GATE7」1
歴史や遺跡などが好きで、京都に憧れている高校生致佳人は、修学旅行で訪れた京都で 謎の青年たちが異形のものと戦う現場に出くわしてしまう。ショックで倒れた致佳人が目をさますと、そこは「華街」にある日本家屋で、先ほどまで謎の戦いをしていた「裏七軒」の青年たちの暮らす家だった。

これまでの作品同様、色々な要素が絡み合って長く続いていく物語になりそうな予感がする、そんな第一巻だった。序章も序章、まだまだこの先謎が出てくるのだろう。けれどその半面、ただ新しい設定やキャラが続々と出てくるだけでなく、明かされる謎もあり、発展していくストーリーもある。安定した物語の構成はさすがと言うべきか、当然と言うべきか。

ということでまだまだ分からないことだらけ。
致佳人を家に招いた橘、桜、胡散臭い笑顔の秀次が属する「裏七軒」とかれらが暮らす「華街」とは何なのか。かれらが作った武器を用いて戦うけれど、「裏七軒」のメンバーではないというはなの存在に至っては、何もかもが分からない。体のわりに非常に大食漢なはなは、自分致佳人は同じ「無い」存在なのだと言う。もともと分かりやすい言葉を話すタイプではないはなの言葉の中でも、抜きんでて不明瞭な言いまわしだ。はなが性別をはっきりさせていないあたりの姑息さがまたいい。普通の人間なのかも分からないので、そもそも性別の区分があるのかも分からない。
橘たちが何度も術を使って確認したり、母親が京都行きをずっと反対していたことから、致佳人にははなが言うような力があるのだろう。「無い」性質が。色々な力が通じないみたいだし、能力を無効化する、みたいなことなのかな。大川さんおなじみの回りくどい、けれどもそれ以外に言いようのない(であろう)言葉選びだ。

それだけでも謎なところへ、歴史上の人物が絡んでくる。人と約定を結ぶ「隠威」という人ならざる異形のものと、隠威と手を結んででも手に入れたい信長とその隠威。やっぱりこういうときにキーになるのは信長だ。名前が与えるパンチがとても強い。

とにかく、謎の人物…なのかもわからない存在はなに癒されたり、裏七軒の連中と漫才めいたやりとりをして楽しんだりしつつ、頭に角が生えている存在が見えることに驚いたり。致佳人自身は自分がなにものであるのか、つまり歴史好きの単純な高校生で、よくわからないことに巻き込まれているけれど衣食住には困っていない状況、を把握しているけれど、他者が思うかれはそんな人物ではないのだろう。そのことにすら気づかないまま、致佳人の京都での生活が始まる。
置いてけぼりをくらいそうな混みあった設定を、上述のコメディ部分がうまく緩和している。

京都出身者を含む関西人集団CLAMPならではの、あまり有名じゃない場所が出てきて驚かされる。まさか上七軒が大きな舞台のひとつになるとは思わなかった!京都はいわくのある場所や題材になりそうな場所には事欠かないので、安井神社のようなエピソードがいくらでも作れそう。麺類大好きはなが次に行くのはどこの店だ!という楽しみもある。

***
わたしはここ最近のCLAMP作品を読んでいないので(「ツバサ」「xxxHOLiC」ともに途中で断念して、完結したので読みなおそうかと思っている次第)、的外れの可能性を承知したうえで言うなら、CLAMPはもう一度「X」をやり直そうとしているのか、と思った。
実在の場所を主要スポットとして結界を張ったりアジトにしたり、実際にあるものが壊されたりしていく物語。影と光のように裏表の存在、七人の集団、預言をする小柄で少女のように見える存在。偶然では片付けられず、ワンパターンと笑い飛ばすこともできないいくつもの類似点が、「X」に振り回されていたわたしの心をざわつかせる。
あの頃は珍しくなかった世紀末・終末ならではの切迫した雰囲気を薄めて、現在はまだ傍観者でしかない当事者の視点から描くことで暗さを除き、大分読み進めやすいノリになってはいるけれど、そこかしこに「X」のにおいがする。止まってしまったまま動き出す気配のない「X」に、別の視点・別の切り口からもう一度向き合っているのかな、なんて。
勿論あの重なる不幸や裏切りによる暗さ、東京BABYLONの面々あっての「X」だと思っているのだけど。いつか続きが読めるといいなあ…。
そんな思い込みの正否はさておき、続きが楽しみです。
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posted by: mngn1012 | 本の感想 | 23:35 | - | - |

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