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山本小鉄子「チュチュンがチュン」1

山本小鉄子「チュチュンがチュン」1
祖父の死によって大学生活開始に出遅れた大鷹は、駅に着くなり、自分の名前を書いたプラカードを掲げた男に出会う。どう見ても年下の、小柄なその男は、野球部の主将チュンこと森野雀だった。

大鷹は初登校の日から憂鬱だった。祖父のために野球をやっており、野球のために大学を選んだかれにとって、祖父亡き今、もはやその大学に行く意義は失われたのだ。しかも大学はど田舎である。もはや野球部で汗を流す必要がなくなったかれは、しかし、駅で自分を待っていたチュンによって強引に野球部に入部することになる。野球部の寮は大学から山を超えたところにあるオンボロで、更に不運なことに、大鷹は人数の都合で先輩と同じ寮になっていた。
何もかもにうなだれた大鷹だが、それでもかれは基本的には真面目な好青年である。文句を言いつつも先輩にはきちんと敬意を表するし、なんだかんだで野球のことも部の仲間のことも好きなようだ。

そんなかれにとって一番の問題は、田舎にある学校でも、更に山奥にある所為で部員以外からはなかなか遊びにも誘ってもらえないような寮のことでもない。なぜかやけに自分に懐いてくる部長のことだった。
チュンは可愛い。しかしその可愛さは、顔の造作ではない。大学生男子の、しかも野球部員にしてはずば抜けて小柄な体系と、明るくて人懐っこい性格がそう見せているのだと思う。そんな少年のような部長の、何を考えているのか分からない行動に憤ったり焦ったりしつつも、大鷹はかれを嫌いになれない。鬱陶しいと言いつつも、嘘の噂を流すかれに本気で怒れない。作為的なのか天然なのか、判断が付きにくいかれの行動に完全に翻弄されている。
とにかくチュンが魔性。抜きん出て可愛いわけでもきれいなわけでも、女っぽいわけでもないかれが、なぜかとっても魅力的に見える。ただほかの大学の野球部員にも好かれているけれど、皆ネタで可愛いだの言っているだけで、本当は普通にかれをひとりの同世代の男として好いているようにも思える。ただ大鷹はそこにおさまりそうもない。それはチュンが手を変え品を変えアピールした結果でもあるし、二人の相性が良かったということでもあるのだろう。だからといって今すぐどうにかなるような雰囲気ではないあたりも良い。

野球大好き!な小鉄子さんらしい、野球愛に満ちた話になっている。本筋には関わらない練習風景とか、試合の風景に気合が入りまくっているけれど、だからといって話の邪魔にはなっていない。ほんとうにこのひと野球が好きなんだろうなあと思わせてくれる。微笑ましい。
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posted by: mngn1012 | 本の感想(BL・やおい・百合) | 19:40 | - | - |

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