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御徒町鳩「みどりのまきば」1

御徒町鳩「みどりのまきば」1
公立の小学校に通う五年生の生徒たちは、恋に悩んだり変化におびえたり、強がったり悲しんだり考えたり、かと思えば鬼ごっこで遊んだり。毎日辛いことも楽しいことも起きつつ、生きている。そんな子供たちの日常を描いたオムニバス。

年を取ると一年が速い、とよく言うけれど、まさにそのとおりだと最近実感する。子供のころは一日がとっても長かった。月曜の朝には、次の休みが本当に遠く感じられたものだ。一年後のことなんて想像もつかなかった。また明日、の明日もとっても先のことのように思われた。

この話はそんな、一日がとっても長い子供たちの物語だ。自分が小学生だったころに確かに存在した、友達だった子たちが描かれている。
おっとりしているけれどもひとの気持ちを察するのが得意な子、大人に囲まれて育った所為か割り切るのが得意な女の子、急激に自覚してしまった恋愛感情に戸惑う子、そういうどこにでもいる子たちが、悩んだり笑ったりしている姿がとても微笑ましい。
子供だとは言っても、かれらの悩みの本質はさほど大人と変わらない。友情、恋愛、毎日の中で起きる様々な出来事にひとはみな心を揺らす。ただ、そのことに対する向き合い方が違ってくる。人生経験がまだ少ないかれらは、自分の中に生まれたあらゆる感情に対して驚き、戸惑う。その新鮮さがいい。そしてかれらは知らないことを知らないと言える潔さと、正面から立ち向かう強さを持っているのだ。
中学年ほど無邪気なままではないけれど、六年生ほど別れや進路に直面していない。そんな五年生。まだまだ時間はたくさんあるように思えるけれど、実は結構岐路に立たされている、そんな五年生。わたしたちはかれらを「小学生」だの「子供」だのと大きな枠に乱暴に押し込めてしまうけれど、やっぱり六年生とも四年生とも違うのだよなあ。

どの話も可愛らしくて、可愛らしい分胸が詰まるけれど、特に好きなのは男女双子の青葉と若葉が、少しずつ変化が出てくる自分たちの肉体に戸惑うエピソードだ。いつも一緒だった。いつも同じだった。友人や教師ですら見分けられないくらい、二人は瓜二つだった。しかし成長とともに変化が出てくる。まずは背の高さが。そしてそう遠くないうちに訪れるであろう更なる変化に、女子である若葉は怯えている。どんどん青葉との差が出てくる。いっしょがいいのに、いっしょのままではいられない。
成長をとめることはできない。そのことを知ったとき、若葉はひとつ大人になった。身長が先に伸びた分だけ、心も先にちょっと進んだ。かれらはまだまだ子供だけれど、毎日少しずつ成長しているのだと思わされる。

自分より背の高い小毬に恋した千尋も可愛い!全然相手にされていないところがまたかわいい!
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posted by: mngn1012 | 本の感想 | 21:04 | - | - |

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