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「劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-」

わたしはガンダム00が大好きでした。
キャラデザが高河ゆんさんだったことがきっかけで見たのだけれど、「武力による戦争根絶」という圧倒的な矛盾を孕んだ理想を掲げ、それが矛盾であるということや自分達が結局「テロリスト」「人殺し」であることを知った上で行動し続けるマイスターたちの在り方は非常に興味深かった。悲しい理由やどうしようもない事情を持っているのではなくただ戦争が好き、というサーシェスのどうしようもなさも好きだったし、神の名のもとに肉親さえも殺した刹那が、戦争中に神はいないと知るところも好きだった。その結果信仰対象を戦地で見たガンダムに変え、信仰するのみでなくそれそのものになろうとするところも、優しい恋人と裕福で自分を溺愛する家族を手にしている、何の罪もない善良な市民であるところのルイスが何の罪もないまま家族と腕を失うような残酷さも、とにかくわたしはガンダム00に熱狂した。
ファーストシーズンの最後にロックオンが死んだときは号泣したし、セカンドシーズンが始まってからの展開にも夢中になった。拘束されて荒んだ目をしたアレルヤを奪回するところや、ニールと同じ顔をした全く違うライルの登場にも背中が冷えた。ティエリアは言わずもがな。
しかしガンダム00は徐々におかしくなった。というのはわたしの独りよがりな考えで、正しくは、ガンダム00は次第にわたしの望むものではなくなっていった。過去のあやまちを乗り越えて試行錯誤しながら進んでいく刹那が、人間よりも高次の存在であるイノベイターだと知ったときにはがっかりしたし(わたしはファーストガンダムでアムロがニュータイプだと知ってがっかりした人間です)、他人の持つ銃に守られているマリナが自分だけ武器を持たず、子供と歌っているだけなのにも気落ちした。なにより、GN粒子があらゆる問題を解決ないしは緩和してくれるという話の展開に、凄くどうしようもない気持ちになったのを覚えている。
あらゆることを差し引きしてもガンダム00は面白い作品だったし、わたしの好きな作品だ。けれど、やっぱり序盤が良かった分、終盤に失望したというのも本音で。

そんな感じであまり期待せずに行ってきました劇場版。
以下ネタバレ。

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posted by: mngn1012 | 機動戦士ガンダム00 | 12:27 | - | - |

Newtype 2010年07月号

Newtype 2010年07月号

新房監督特集もあるよ!

高河ゆん書き下ろしガンダム00読み切り漫画が別冊付録。これまでの読みきりと違うのは、B6サイズの小冊子になっているということだ。カラー表紙付きだし保管しやすいし凄くいい。

・「機動戦士ガンダム00-空と大地のまじわるところ-」
「劇場版カウントダウン」と小さく書かれているだけあって、本編よりも後の物語。つまりティエリアが眠っていて、アレルヤがマリーと共に旅に出たあとの話。

アザディスタンを復興させ、皇女として立派に成長しつつあるマリナのもとへ、ある夜刹那がいきなり訪ねてくる。生まれ育った国を守り導くために献身的に生きるマリナと、世界の平和のために次々と移動して戦い続ける刹那は、同じ理想のために正反対の道を選んでいる。
他の誰が知らなくても、何を言っても、自分達が同じものを見ていることをふたりは知っている。同じ在り方を望んでいること、そのために個人としての自分を捧げきっていることを誰よりも理解しあっている。その方法があまりに違いすぎることも、勿論知っている。届かない空のような刹那と、どんな大地にも懸命に根を張り花を咲かせる植物のようなマリナという喩えがまた秀逸。
別れを告げる刹那に、マリナはいつか帰ってきてほしいと言う。留まるところがない、不動の居場所がないことを、悲しむでも嘆くでもなく受け止めている刹那に、マリナが「帰ってきて」というのが良い。「また来て」じゃなくて「帰ってきて」だ。何気なくマリナは、刹那に帰る場所や居場所をくれた。

クリスから貰ったバレッタを使いすぎて壊してしまったフェルトが困っていると、ライルが器用に直してくれる。死んだ仲間の形見のようなそれをあまりに気軽に使っているフェルトは、我ながら大事なものならしまっておくべきだと謙遜すると、「大事だからそばに置く」今の在り方がいいのだとライルが笑う。大切だから壊れないようにとじこめておくこと、危険や刺激から遠ざけておく愛情がある。一方で、大切だから守れるように近くにいる愛情もある。大切だからいつも傍にいたい、という気持ちも勿論ある。どちらの感情も尊いが、二人はいずれも後者のようだ。
刹那の愛情は、大切だから壊れないように世界を守る、そういう愛情だ。大切な存在だけを守っても意味がないとかれは思っている。それは、かれにとって大切なマリナが、自分ひとりが守られているだけでは幸福になり得ないと知っているからでもある。彼女の傍にいて守らなくても良いように、彼女を傷つけるもののない世界を作ろうとする。

マリナが持っているものもまた、刹那の傍にいるだけで満たされる愛情ではなかった。「アザディスタンのもの」だと自称している彼女は、自分が生涯添い遂げてゆくものを既に決めている。刹那と出会う前から思っていたであろうそれを、かれとの出会いによって再確認したのだろう。
刹那と共に行動しても、自分が出来ることがないことを彼女は知っている。かれの傍で笑っているの人生は、彼女の望むものではない。彼女がなすべきことも、したいことも、できることも、刹那の傍にはないのだ。刹那も同じことだ。かれが自分の傍にいればかれのすべき行動が滞る。かれの理想が遠くなる。お互いのために必要なことだ。
ファーストシーズンとセカンドシーズンの間に刹那がライルを探してアイルランドへ向かう短編「wanderer」に、刹那がニュースでマリナの動向を偶然知るシーンがある。彼女が混迷を極める自国で相変わらず頑張っていることを知って、「俺もまた 一人で戦おう」と刹那は決意する。ライルを誘うべきか否か迷っていたかれは、多分このとき少し弱っていたのだ。ニールというマイスターのリーダー格を失い、大敗を記した結果CBも散り散りになってしまった。そんな中でCBの再興を目指していた刹那は、ニールそっくりの男が目の前にいるのを実際に見て、無意識に寄りかかろうとしていたのだと思う。しかしそこへ入ってきたマリナのニュースがかれを留める。ライルにはかれの生活があり、それを楽しんで謳歌していることは見てとれた。そんなかれを無理に誘って命をかけさせるような真似をしてはならない。自分は自分のなすべきことをするだけだ。昔のように、一人であろうと何度苦しもうと、ひとり戦うだけだ。
遠く離れた場所で、ひとり理想のために戦い続ける彼女がいるならば、自分もまた戦えると刹那は思った。彼女が頑張っているということがかれの支えになる。そして逆もまた然り、だろう。どんな名前が似合うのか分からない、刹那とマリナの独特の繋がりはこのときと変わっていない。

マリナは00のヒロインのはずだが、決して華々しい出番や活躍をしたキャラではなかった。一貫して彼女が主張し続けた、武力に頼らない独立や平和は多くの人間にとって最善の策であるけれど、実際に命を賭けて戦う人間の前で、マリナはあまりに未熟であった。彼女の理想が悪いのではなく、それを実現するにあたっての行動や作戦が拙かった。自分と同じものを求めながら、最も逆の方法を選んでしまった刹那に対する憤りが、それでなくても逸っていた彼女を更に加速させる。セカンドシーズンの彼女は未だシーリンの傀儡のようであったり、他人の手を汚させながら自分は戦うことを否定したり、しまいには子供と一緒に歌を歌いだす、メインヒロインと呼ぶには弱い役回りになった。
彼女の存在は子供たちの支えになったし、刹那の支えにもなった。けれどマリナは彼女の理想のためにどんな行動をしていたのか、はっきり描かれないままだった。理想を語るつよさばかりが先に立っていた。
しかしこのコミックで大分マリナの印象はクリアになる。

どこに行っても幸せになると約束して、とマリナは刹那に言った。そのことに対する返事を刹那はしなかった。かれの幸せなんていうものは、サーシェスの言葉を鵜呑みをして実親を撃ち殺したときから、奪われたままだ。傷つけられ踏みにじられたままだ。
けれどマリナは幸せにするでも、(二人で)幸せになろうでもなく、たとえどこへ行っても幸せになるように願った。刹那が自分で幸せになる努力をしなければならない、と言外に滲む戒めに思わず背筋が伸びる思い。こういうマリナの無意識の崇高さや志の高さは素晴らしいと思う。国のトップに立つべくして立った女性なのだと実感できる。
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posted by: mngn1012 | 機動戦士ガンダム00 | 22:30 | - | - |

CDドラマ・スペシャル4 機動戦士ガンダムOO アナザストーリー「4MONTH FOR 2312」

ドラマ,宮野真守,高垣彩陽,三木眞一郎,梅津秀行,吉野裕行,戸松遥,神谷浩史,白石涼子,本名陽子,小笠原亜里沙

ドラマCD第四弾。漠然としたジャケットである。話は面白かった。

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posted by: mngn1012 | 機動戦士ガンダム00 | 20:03 | - | - |

高河ゆん「機動戦士ガンダム00 高河ゆん Dear Meisters COMIC&ARTS」

高河ゆん「機動戦士ガンダム00 高河ゆん Dear Meisters COMIC&ARTS」
画像どーん!

・カラーイラストが23枚。このうち半数を超える13枚は、「機動戦士ガンダム00 高河ゆんデザインワークス」<感想>(以下一迅社版)にも収録されたもの。背景の色が変わったり、人物の配置が変わったものもあるけれど、半数以上が雑誌の再録を更に再録したもの。というか、一迅社版に収録されたイラストは、書き下ろしの表紙やピンナップも含めて全収録である。

・小さなイラストが4枚。これは一迅社版には載っていなかった。ファーストシーズンが終わったあとの、白黒のニールのイラストがすごく好きだったので、これが載せられているのは嬉しい。

・キャラデザ画は、ファーストシーズンとセカンドシーズンの両方を掲載。四年の間にそれぞれに起こった変化、もしくは起こらなかった変化なども分かりやすく対比されている。ただ、ファーストシーズンのキャラデザは一迅社版に収録されたものと全く同じ。新しく出たものもなかったんじゃないかな。それに対するコメントなどは当然新録だけれど、当然ながら内容は似通ってくる。
女装もあり。膝丈スカートの案もあったようだけれど、ロングでよかったと思う。谷間はないほうがよかった、と、しつこく言い続けたい。

そんな感じで、相変わらずの角川様っぷりを存分に発揮した内容だった。こちらを買ってしまうと、もはや一迅社版が必要なくなってしまいそうだ。一迅社版に残っているのは、杉野さんとの対談、千葉さんとの対談だけである。あとは一迅社版の方がサイズが大きいので、大きな絵で見たいひとにはいいかもしれないが。
穿ったことを言えば、一迅社においてそれなりに大きな売り上げを見込める作家を長期間借り入れたことへの埋め合わせとして、ひとまず先に一迅社から画集を出させた、というところか。実際殆ど全部が角川系列の雑誌に掲載されたイラストを、しかもガンダム関連商品を、一迅社から出すことの方が不自然だったので、その回収をこういうかたちでしたんだろう。という予想。

ただ、そんな策略にまみれているであろう本だけれど、収録されている漫画は本当にいいのだ。ロックオン編のために1300円出したようなものだ。出して良かったと思っている。あ、これが角川手法に踊らされているというのだな。

漫画
それぞれの物語が、主役のカラーインクで印刷されているのがにくい。アレルヤはオレンジというより茶色いが。
・「wanderer」(Newtype 2008年 11月号)
感想はこちら

・「I'm home.」(Newtype 2009年 03月号)
感想はこちら

・「主をほめたたえよ(アレルヤ)」(Newtype 2009年 04月号)
感想はこちら

・「The beginning man.」
ロックオンの物語。ニールの口から出るライルは、大切な家族であり、大切な弟である。無条件に愛して、疑いなく慈しんで、命を賭して守るもの。長らく会っていないということもあるのだろうが、人間性や現状は問わない。ただ、どこかで幸福に暮らしていればいい。生きているだけで、生きていると思うだけで救われる。そういう象徴としての存在だ。
しかしライルは違う。かれにしてみればニールは決して敵わない相手だった。子供のころの周囲の反応を見るに、ニールという少年は、何でもできるのに奢ったところがなくて性格もよくて、なおかつ努力も絶やさなかったようだ。そんな完璧な男が、自分と同じ顔で存在している。それはライルにしてみれば絶望だ。たとえニールに微塵も悪気がなくて、かれに非がなくても。非がないからこそ、か。同じ道を行きたくないというライルの気持ちももっともだ。CBにやってきた当初、自分は兄ではないと苛立っていたのもよく分かる。
ライルは幼いころからずっとニールを意識していたのに、ニールはそうじゃなかった。どんなに辛くても困っても、ライルを呼ばなかった。助けを求めなかった。それは兄であるかれのプライドだったのかもしれないけれど、ライルにしてみれば、自分は呼ぶに値しないと言われている気持ちだったのだろう。みんなに優しくて愛されていて、気づかいのできるニールは、本当は結構無神経で残酷な男だったのかもしれない。そう思うとより楽しい。完璧じゃないからこそ、人間は面白いのだ。

アニューの話も出てくる。最初に彼女を好きになったのは、彼女がニールを知らなかったからだ。自分をニールの弟ではなく、単にひとりの人間として見てくれたからだ。「その後惚れたのは アニューがいい女だったからだ」とライルは言う。この言い回しがすごくライルらしくて好きだった。優しいからとか、気があったからとか、一緒にいて楽しいからとか、そういうことはいちいち言わない。何もかも含めて、彼女はかれにとって「いい女」だったのだ。ニールは絶対言わないような言い回しだなあ。和む。
普通の人間は、頭で分かっていてもなかなか割り切れない。そういう人間臭い部分がライルの魅力だ。

そのあとの刹那の台詞がまたいい。戦うことしかできなかった少年は、戦うことの意味をたくさん見出した。戦争根絶の先にある希望を、破壊の末の再生を考え始めた。戦って壊すことしかできない自分を知っているかれは、美しい創造が出来るひとりの女性と出会って、未来に期待することを知った。誰かに任せることを、誰かに託すことをおぼえた。なにも実際にそんな話をしたわけではない。だけれど、刹那は信じている。マリナならばできると、彼女ならば自分が任せるに足る人物なのだと知っている。
その気持ちはたぶん恋よりも強いのだろう。

この刹那の一連の台詞は、高河さんが本腰を入れて00に携わったからこそ、出てくる言葉なのだと思った。
人生の半分以上高河ゆんが好きなものとして、傲慢にも言わせてもらえば、高河さんはこの一連のキャラデザを引き受けて本当に良かったと思う。それは、わたしが非常に夢中になった00というアニメを大好きな漫画家の絵で見られたことや、大好きな漫画家がコミカライズしたものを読めたということだけではない。漫画家高河ゆんとして、沢山の生や死と向かい合うキャラクターを描くこと、かれらのことを考え続けることは、非常に得るものが大きかったんだろうと思う。少し前の高河さんなら描かなかった(描けなかった)ような話がばんばん出てくる。監修がついているというだけではこうはいかないと思うので、高河ゆん本人の変化があったはずだ。寧ろなければおかしい。起こったであろう変化は良いものだったと思う。それが今後どのように反映されてゆくのか、とっても楽しみ。
まあでもまた戻ったら相変わらず原稿落としたり減ページしたり、連載佳境でいきなり別の話描きだしたりするんだろうけれどね。二三年外で仕事したくらいじゃ直らないよね…。

セカンドシーズンの後半がほんとうに微妙で、ラストに到っては肩を落とすことも多々あったのだけれど、やっぱり00はいい。大好き。

刑事もののドラマ出すくらいならこれをCDだのアニメだのにしてよー!
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posted by: mngn1012 | 機動戦士ガンダム00 | 02:11 | - | - |

CDドラマ・スペシャル3 機動戦士ガンダムOO アナザストーリー「COOPERATION-2312」

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posted by: mngn1012 | 機動戦士ガンダム00 | 22:45 | - | - |

ソレスタルステーション00 GN粒子最大散布スペシャルCD 全巻購入特典 ミニ座談会CD

機動戦士ガンダム00 ラジオCD「ソレスタルステーション00 GN粒子最大散布スペシャルCD」全三巻を買うと貰える特典。こちらもマイスター四人と入野さんの五人。

「刹那マイハウス!」のコーナー復活、と言いつつも、コーラ飲んでピザ食べて喋っているだけのCDである。22分強。

ないようがないよう!
五人が三枚のCDを振り返って思い出を話す、というもの。勿論すべての企画に全員が参加していたわけではないので、自分が出ていなかった回の説明を聞いたり、カクテルを再現して噴き出したりしつつ、よしなしごとを語りあう。00の座談会ではなく、飽くまでソレステCDの座談会なのだ。

まあ無料なのでいいか、というレベルの代物。後半の見切り発車で大事故を起こした宮野さんの自滅っぷりは必聴、かもしれない。

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posted by: mngn1012 | 機動戦士ガンダム00 | 21:18 | - | - |

「機動戦士ガンダム00 ソレスタルステーション00 GN粒子最大散布スペシャルCD」3

「機動戦士ガンダム00 ソレスタルステーション00 GN粒子最大散布スペシャルCD」3
ラジオソレステ00から派生した、完全新録企画モノCD第三弾。アニメイト限定商品。
今回はマイスター四人と入野さんの五人。

・オープニング&00喜利
もうとにかく最初っからテンションが異常。四人の異様な悪乗りに振り回され続ける司会の入野自由の可哀想なことと言ったら!
自己紹介から台本を無視しまくってお届けする大喜利。宮野さんの自己紹介が酷過ぎる。
面白かった、としか言いようがないくらい面白かった。ソレステに四人がゲストで出た27、28回を彷彿させる異様な空気だった。わたしはこの二回がむちゃくちゃ好きだったので、それがもう一度戻ってきたようでとっても楽しかった。
神谷さんは無駄に反応が速くていい。他人のネタに笑っているのはいつものことなのだが、今回は結構積極的にボケに行っていたので驚いた。吉野さんが面白すぎて怖い。三木さんもノリノリ。入野さんがいるときの三木さんは大体楽しそうだ。いじめ…弄りがいがあるのだろう。
神谷さんの「つって」連呼によって、他の人たちにも「つって」が移っていた。

・沙慈・クロスロードの、ピザっとしておいしいね
ソレステはどこまでもピザを押すなあ。
ミッションイントラブルの沙慈編。これまではゲストに振る側だった入野さんが苦戦。ただひたすら苦戦。それを喜ぶ悪い大人たち。

・男だらけのボーイズトーク
00の女キャラについてのあれこれ。誰とどんなデートがしたいかとか、どんな服を着せたいかとか、そういう妄想。まとめるとスメラギさんのおっぱい最高!みたいな。スメラギさんの下着の話題をしていたときの神谷さんの輝き方がすごかった。知識はあるのに発想が中学生!
案外シーリンの話題が少なかった。姫様の話が出ないにもほどがある。

・エンディング
ごあいさつ。最後まで感慨深くならずぬるっと終了。これでいいのだ。

いい意味で、ものすごくひどいCDだった。しかしながら前の二枚がラジオなのに料理をするという謎の企画物だったので、それよりはよっぽどこのトークCDの方がいいと思う。視覚的な要素に加えて味覚的な要素もあるものより、座って話しているものの方がいいというのも皮肉な話だが。あー面白かった。とにかく面白かった。満足。

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posted by: mngn1012 | 機動戦士ガンダム00 | 21:18 | - | - |

機動戦士ガンダム00 #25「再生」

リボンズは自分を「救世主なんだよ」と言った。刹那は当然ながらそれを認めないけれど、ある意味では本当に、かれは救世主だったのかもしれない。刹那の目指す未来とリボンズが目指す未来が異なる以上、どちらかを選ぶことしかできないけれど、もしかしたらリボンズの描く未来もありなのかもしれない、と思った。圧倒的に優れた種によって、正しい方向に導かれることは、そう悪いことでもないのかもしれない。終わらない殺し合いの果てに全滅するよりは、よっぽど。

しかしながら当然そのような終わりになるはずもなく。
ボロボロになって、片足を失くして戦う00ガンダム。トランザム多用、量子化となんでもあり。しかしこの量子化はある意味では反則だけれど、案としてはとても好きだ。
変形してガンダムタイプになったリボンズキャノンに、リボンズガンダムに太陽炉を取られた刹那。自分の機体を大破させたリボンズは、宇宙に漂う0ガンダムを見つけて乗り込んだ。刹那はその頃、改良されたエクシアに乗り換えていた。そして再び、リボンズと対峙する。
刹那対リボンズの構図は変わらないけれど、MSは00ガンダム対リボンズキャノン(リボーンズ?聞いた感じだと伸びてたような)の図式から、エクシア対0ガンダムへと変化した。刹那がエクシアで0ガンダムを撃つ、ということには大きな意味があると思う。戦場で見た0ガンダムを神のように崇めていた刹那は、その原体験を抱き続けたまま青年になり、エクシアで世界中の紛争に武力介入した。CBのガンダムマイスターである刹那・F・セイエイという存在は、0ガンダムが発端だ。あの時見た0ガンダムのようになりたくて、ガンダムに固執しながらかれはもがき続けていたのだ。初めて与えられたエクシアと共に。そんなかれが、今、0ガンダムと戦い、打ち勝った。神という概念の支配から逃れたかった少年は、縋るべきよすがを0ガンダムに変えて、同じことを繰り返してきた。その呪縛から、今、かれは自らの手で神を殺し、呪縛から解き放たれようとしているのだ。

マリナは刹那に手紙を書いている。
同じものを、平和というたったひとつのものを見つめているマリナと刹那は、決して相容れない。平和のために自分の手を汚し、「罪を背負い傷付いて」戦う刹那の生き方を、マリナは哀しんでいる。幸せを他者と共有することで、平和の種をまいていきたいと彼女は思っているのだ。
マリナの意見はもっともだ。戦争をやめさせるために武力をもって制するというのは間違っている。矛盾している。しかし彼女の並べる夢は飽くまで理想であり、ちっとも生きた言葉として響いてこない。彼女の提案は、既に平和になっている状況下で心を裕福にするためのものだ。戦争は、誰かと共有しうる幸福まで根こそぎ奪っていく。大きなもののためには、犠牲も必要になる。刹那は自分のプライベートを斬り捨てて、場合によっては命ごと放り投げて、なんとか安全な世界を作ろうとしているのだ。
二人はたぶんずっと分かり合えない。お互いがとても大切な存在で、気になるけれど、本質が違いすぎる。哀しいけれど、ひとが生きていくうえで避けられないことだ。

ヴェーダの一部になったティエリアはもはや肉体を持たない。人類を導くのではなく、共に未来を創るために、かれは人類を見守る存在になった。もはやそれは人間ではないし、悟ってしまった姿はさびしいけれど、それもまたひとつの答えではある。瑣末な器に拘らなくて良くなったのだろう。
戦いの中でこぼれたリボンズの本音は、純粋種のイノベイターである刹那を倒すことで自分の有用性を確信することだった。人類を下に見ることで自分を保とうとする、ある意味でとても人間臭いその願いに、ティエリアは「そうやって人を見下し続けるから分かり合えない」と説いた。それは最も憎むべき敵を否定するのではなく、過去の自分を慰めているかのような優しさの残る言葉だった。もはやティエリアはその位置にいないのだ。

そして最終決戦から時がたって、それぞれのその後。
アザディスタンはなんだかんだで再建したようだ。ひとまわり強くなったように見えるマリナの姿からするに、彼女は自分のやり方で頑張ったのだろうと思う。その様子が全くうかがえないのは残念だが。そして結局歌が広がりつつある、というのは何だったのか。
入院するルイスの元を見舞う沙慈。戦争で身よりを失くした二人が、これから支え合って生きていくのだろう。GN粒子によって細胞異常が治った、というご都合展開。ラッセも健康そう。
コーラサワーさんご結婚!キャー良かった良かった!でも「大佐」呼びなのが可愛らしい。
ホーマー・カタギリは自室で切腹。一瞬グラハムかと思ってびっくりしたのだが、その後登場するので改めて見返して判明。「全ての罪を背負うつもり」だとビリーが称していたのは、ある意味で真実だった。アロウズが悪である、という認識で新しく成立した政府のためにも、かれは悪者として一生を終えた。
ビリーは何やら研究中。後ろにグラハム。セカンドシーズン最大の不満は、グラハムの扱いの半端さだ。美学を通して勝利する戦争を好むエリート軍人が何もかもを失い、復讐の鬼と化すところが好きだったのだが。そこに戦争の齎す弊害のひとつが存在していると思うので、もっと描いてほしかったな。
アンドレイは生きていた。ソーマの言葉が聞いたのか、本音を吐きだしてすっきりしたのか、父母を尊敬する念を持ったようだ。実際そうなったら、自分が実父に手をかけたことを思うと正気ではいられないように感じるけれど、そこも乗り越えたのだということにしておくか。悔恨は何も生まないし。
アレルヤとマリーは罪を償うべく、二人で旅をしている。CBを抜けたわけではないようだが、本来のアレルヤの気性には戦いは似合わないのでいいのだろう。
ライルはCBとして生きることを決意した。刹那、スメラギ、フェルト、ラッセ、ヴァスティ親子の乗ったトレミーが、新たな平和のために旅立つ。
あらゆる場面に、イノベイター(イノベイド)らしき存在がちらほら。

結局のところ00の命題というのは、世界中で起こっている戦争やそれに類似した争いに対して「無自覚でいられない」ということだったと。火の粉が振りかかってから立ち向かうのではなく、「私たちから関わっていかなくては」いけないのだ。
おっとりしてちょっと気が弱いけれど芯の部分は強くて優しい男の子の沙慈、ワガママで気がきついけれど本当は人一倍寂しがりやの女の子のルイス、という、テンプレのような学生カップルの元にも、戦争は下りてくる。ニュースで見る映像や、資料で学ぶデータではなく、目の前でテロが起きる。家族を一瞬で失い、哀しみに暮れ、怒りを覚え、現実を知った。随分といろいろなものを失って、その代りに得たものもある。少なくともかれらはこの先、テレビで見る戦争を、他人事だとは思わないだろう。親を失って泣き叫ぶ子供を、子供を失って絶望する親を、呑気な気持ちで眺めることはできないだろう。CBが介入したことで歪められ、そしてひとまず再生された世界においては、少なからず意識の変革があったのだろう。
セカンドシーズンの一話でティエリアが言った「自分のいる世界ぐらい、自分で見たらどうだ」という台詞が、この半年を通して一番印象的だ。その言葉は無関心な一般市民の代表であった沙慈に向けられていた。そしておそらく、わたしたちにも。

不満は多々残る。疑問も多々残る。あげていけばきりがないが、最大の不満は、オリジナルアニメーションでありながら、本編だけでは補完されない設定やエピソードが多すぎるということだ。雑誌のインタビューや番外編や小説、そしてラジオなどで得られる情報の中に、重要なものが沢山あって驚いた。アニメを長年見ているひとには普通のことなのかもしれないが、とても戸惑った。郷に従うしかないとは思ったものの、それは物語として破綻ギリギリなのではないか。
刹那が最後の最後でイノベイターになったのは正直がっかりだった。人間のままで、他のみんなと同じ普通の人間として、人類を操ろうとする人ならざるものに勝利するからこそいいのに。リボンズよりも上位種になってしまったら、勝って当然じゃないか。唯一の救いは、刹那の態度がなにひとつ変化しないことだろう。芯がまったくぶれない。その態度はとても好きだった。
あとはやっぱりファーストシーズンが面白すぎたとも思う。美化もあるだろうけれど。セカンドも最初は一週間待つのが辛いほどわくわくしていたけれど、途中から気持ちが落ち着いた。

でも、面白かったです。
武力による戦争根絶、という矛盾。その矛盾をなんとか成し遂げようとしているCBの姿は、00において何か新しいものを創り出そうとしているひとたちの姿のようでもあった。何かが起きるのではないかと、期待させてくれた。その一年と半年の間のわくわく感は、本当にわたしを楽しませてくれた。
結果ではなく過程。何を為したかではなく、何をなそうとしたのか。そういうところがまたCBとリンクする。楽しい日々でした。

散々リークされていた劇場版決定も公表。見に行くよ。

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posted by: mngn1012 | 機動戦士ガンダム00 | 21:02 | - | - |

機動戦士ガンダム00 #24「BEYOND」

特攻してくるガガ部隊に向けて、沙慈が攻撃した。自分や刹那を、そしてルイスを守るためにかれはとうとう攻撃した。乗っているのが大量生産されたイノベイターであることなどかれは知らない。命を持つものが中にいると知って、それでも守るために、手を汚した。それは今までの沙慈の主張からは少しずれるけれど、最後まで刹那に守られっぱなしの沙慈でなくて良かったと思う。

僕たちはイノベイターではない、イノベイドだ、とティエリアはリボンズに向かって言った。いつ知ったのだろうかということはさておき、自分は更に進化したとうそぶくリボンズに対してティエリアが言った「世迷い事を!」という台詞が格好いい。

スメラギは、CBは、自分たちが世界を歪ませたことを知っている。そしてその責任を自分たちでとらなければならないと思っている。それと同じことを、人類に対しても感じている。有史以来繰り返してきた戦争のつけを払うのもまた人類なのだと。
ビリーの意見はそれとは違う。優れた種が統括すべきなのだと、人類を管理して制御して、恒久和平を与えてもらえばいいのだと考えている。これまで連綿と続いてきた争いの歴史を、自分たちの手で終らせることは不可能に近い。圧倒的に優れた、強大なものに導かれる必要があるとかれは考えている。
どちらも平和を願っている。だけれども、その方法があまりに違いすぎて、また、争いが生まれるのだ。

沙慈がルイスを連れて離脱したあと、刹那はヒリングとリヴァイヴとの戦闘中に、苦戦している仲間たちの声を聞いた。決して楽観できない状況にいる仲間の様子を知ったかれは「皆の命が消えていく、そんなことさせるか!」と叫んだ。そしてトランザムシステムがALL BURSTする。いくつもの閃光が走り、何かが変わっていく。

ライルとの一騎打ちで、サーシェスは自分が敵対している人間が、四年前に殺した男の弟だと知った。嬉しそうに笑う非道な男にライルは正体を問うが、サーシェスは「俺は、俺だ!」と言う。そうだ、かれはかれでしかないのだ。「戦争が好きで好きでたまらない、人間のプリミティブな衝動に殉じて生きる、最低最悪のろくでなし」なのだ。どこにも属さない。何にも従わない。崇高なほどに純粋で、美しいまでに孤独で、最低の人殺しだ。なんでこんなにわたしサーシェスがすきなんだろう…。

スメラギは、自分に銃を向けた男の元に歩む。ビリーが向けてくれる感情をずっと知っていた彼女は、それに甘えている自覚があった。何も聞かずにずっと住まわせてくれたかれの純情を利用して、最低の方法で裏切った。穏やかなかれがひとを殺したいと思うほどに、傷つけて変えてしまった。そのことを詫びる彼女にビリーは戸惑う。そしてとうとう、「ずっと君のことが好きだった」とかれは言った。スメラギが知っているとわかっていても、自分の口で本人に伝える必要があったのだ。ずっと言えなかった言葉を、もしかすると何度も言おうとしたのかもしれない言葉を、とうとうかれは言った。笑えるほどに純愛で、せつない。

ソーマとアンドレイもまた、戦いの中で言葉を交わす。アンドレイの絶望はやはり、父が母を見殺しにしたことではなく、母を失った孤独な自分に父親が向きあわなかったことにあった。セルゲイはそれを分かったうえでかれに打たれたのだと知れば、この息子は少しくらい悔いるだろうか。
父が分かってくれないことにばかり重点を置いて、自分が父をわかろうとしなかった息子は、「言ってくれなきゃ何も分からないじゃないか」と叫んだ。

泣きながらも沙慈の首にかけた指の力を強めたルイスは、沙慈が指輪を持っていたことを知って号泣し、意識を失う。こと切れたかのように見えた彼女は、00ガンダムの光が充満する中で意識を取り戻す。沙慈の腕の中で目を覚ました彼女は、ハレヴィ准尉ではなく、ただのルイスだった。そして沙慈は言う、「何も言わなくていいさ、分かってる」と。
そこには、これまで積み重ねてきたものがあるからだ。平凡な日常の中で確かに築いてきたもの、いつ命を失ってもおかしくない過酷な戦場でも必死に交わしたもの、それらがあったからだ。言葉の果てに、言葉なしに通じ合える関係ができたのだ。

リボンズに撃たれたティエリアは、しかしながらヴェーダを奪還した。同じくリボンズに撃たれたリジェネの意識も存在している。大破していたセラヴィーガンダムからセラフィムガンダムがパージされ、トライアルフィールド。ナドレが持っていた、ヴェーダとリンクするものを管轄下に置く機能はセラフィムにもついていたようだ。ガガ部隊がついに止まる。

再度出現したハレルヤに助けられて生き延びたアレルヤは、アーチャーに駆け寄る。無事だったパイロットは穏やかな表情の、マリーだった。安否を問うかれの声に、マリーは「もう大丈夫よ、ありがとうアレルヤ」と微笑む。言葉がなくとも、アレルヤにはそれですべてが伝わったのだろう。言葉よりも雄弁なものがあるのだ。

ニールと同じ復讐心に燃えるライルは、こいつだけは許せないとサーシェスを追い詰める。しかし引き金を引く瞬間、かれはアニューの声を聞く。「わたしたち分かりあえてたよね」という彼女の言葉に、ライルは手を止める。ようやく彼女の言葉が、ここで通じた。刹那を殴りつけ、その後もただひたすら報復することだけを考えていた男は、すんでのところで気づいたのだ。争いよりも有効な方法。争いよりも難しくて、簡単な方法。
サーシェスは最後までそれに気づくことなく、だからこそ死んだ。それでいい。
ニールもまた、それに気付けなかった。気づいていたのかもしれないけれど、それよりも、血で血を洗う方法をかれは選んでしまった。だからこそ、死んだ。

撃たれたティエリアの元に追いついた刹那は、かれの体を見て「仇はうつ」と言った。あれ?どうしてよりにもよって刹那がここでそんなことを言うの…と肩を落としたくなった。
意識がヴェーダに取り込まれたティエリアの声は優しい。戦争の最中だとは思えないくらいに、優しい。「僕はイノベイドで良かった」とかれは言った。自分がイノベイターであることを誇りに思っていたかれは、何もかもを打ち砕かれた。絶望の中で少しずつ前を向いて歩いたかれは、自分は仲間と同じ人間なのだと思えるまでになった。
そしてまたここで、自分が人間ではなくて良かったという。しかしその理由は以前とは全く違う。人間じゃないから、イノベイドだから「君たちを救えた」のだとかれは言う。表情はないけれど、声音がどこか嬉しそうだ。憎んだであろう力で、一時は自ら捨てたもので、それでも仲間が救えたと、誇らしげだ。
そしてついにイオリア計画が明かされようとしている。いよいよ、最終回。


以下だらだら。
わたしが最初に見たロボットアニメは、たぶんGガンダムだ。しかし、わたしが本気でちゃんと見た、と言えるロボットアニメはエヴァが唯一だと思う。GとWは見たけれど、幼かったこともあってあまり把握していたとは言えない。主要キャラと話の大筋くらいしかわかっていない。
エヴァは数えきれないくらい繰り返して見た。未だに見返すこともある。完璧に理解しているのかと言われると、胸を張ってイエスと言いきれないのがエヴァの哀しいところではあるが。そしてエヴァはわたしが見た最後のロボットアニメでもあった。唯一のロボットアニメだったのだ、実際。遅い原体験でもあった。
その衝撃が強すぎて、必要以上に反応してしまうのだということは分かっている。わたしが思っていることは、エヴァが流行ったときに言われた「ガンダムっぽい」ということと同じなのだろうとも分かっている。そうやって歴史は繰り返され、進んでいくものなのだ。パクリでもインスパイアでもなく、血となり肉となって続いていくものなのだと思う。

何が言いたいのかというと、どうもイオリアの目的が人類補完計画と被る。
分かり合えないことは不幸だ。分かり合えないことによって起こる争い、憎しみ、悲しみは絶えない。だから分かり合うことが必要だ。じゃあどうやって?ひとつの意見にしてしまえばいいじゃない。途方もない力を使って、無理やりにでも、まとめてしまえばいいじゃない。もう摩擦は起きなくなって、わたしたちは寂しくない。争わない。
それは、「分かり合おうとする努力」の放棄でもある。

エヴァじゃないよ寧ろ●●だよ、という意見も色々ありそうだが、エヴァしか知らないのです。

でもとっても好きです、00。

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posted by: mngn1012 | 機動戦士ガンダム00 | 21:20 | - | - |

機動戦士ガンダム00 #23「命の華」

リボンズの血も赤いんだな、なんてことをぼんやりと思ったアバン。だって前回の次回予告にピンピンしたリボンズがはっきり映っていたんだもの、死ぬはずがないじゃない。
そしてやっぱり死んでいなかった。肉体はただの器であり、意識がヴェーダと直接繋がっているのでいくらでも挿げ替えが可能なようだ。
リジェネの高笑いがちょっとオンナノコっぽくてびっくりした。最初は余裕たっぷりのキャラだと思っていたけれど、それは結局リボンズがかれの暴走を知らないふりで泳がせていたからだった。後半はとにかく必死で焦っていたイメージ。そのイメージはぬぐい去れないまま、人間・サーシェスが、イノベイター・リジェネを撃った。

前方から放たれた禍々しい光によって、多くの戦艦やモビルスーツが塵と化した。光が過ぎたあと、宇宙にはたくさんの破片が浮かんでいた。さまざまな色の破片は、兵器だったものの一部であり、その中に乗っていた生身の人間だったものの一部だ。肉塊はおそらく溶けてしまったのだろう、跡形もない。今さっきまで生きていたものが、一瞬で無になった。
その状況を遠くから見ていたマリナは、何が起きたのかもわからず、ただ「戦闘が止んだ」と言った。止んだのは争いではなく、多くの命の鼓動だ。

その圧倒的な力を示した、リボンズの乗る母艦の名前は、ソレスタルビーイングと言う。人類を新しい段階に導く方舟なのだと、かれは嫣然と微笑みながら言った。リボンズの攻撃命令は、普段のかれ同様にゆっくりとした口調で行われる。そのことがかれの余裕を示しているようで、覆せないほどの差を見せつけられているようで、恐ろしい。

その、勝ち目のないような敵を前にして、スメラギは普段通りに戦術予報を伝えた。「皆行きましょう、私たちが世界を変えたことへの償いを」と彼女は言って、刹那が話した、未来のための戦いを促す。「ラスト・ミッション」の始まりだ。

敵の数の多さに押されるケルディムを、危ないところで庇ったのはセラヴィーだった。以前ニールに庇われたティエリアが同じ顔を持つライルを庇ったのではなく、ロックオンに命を救われたティエリアがロックオンを庇ったのでもなく、ただ、ティエリアは仲間を助けたのだと思う。これがアレルヤでも刹那でもトレミーでも、勿論アーチャーでも0ライザーでも、かれは同じようにしただろう。仲間を思いやること、助けることは、かれがこの四年で習得したことだ。もちろんそのきっかけになったのがニールであることに変わりはないけれど、気負わずに、当然のこととして仲間を庇った。

ガガ部隊は前回リボンズの後ろにいた沢山の赤髪イノベイターだ。何百何千といるであろうかれらは皆モビルスーツに乗り込み、トランザムシステムを行使した。全員置鮎さんの声で「トランザム」「トランザム」と輪唱する様子はかなりシュールだ。虫のよう!
そのMSを開発したのはビリーだった。リボンズが砲撃命令を出したときに返事をした声がうえださんっぽいとは思ったのだが、ビリー本人だった。かれは正規軍でもアロウズでもなく、リボンズの率いる「ソレスタルビーイング」にいた。それが一番クジョウに復讐しやすいと思ったのだろう。

トランザムで特攻してくるガガ部隊との戦いは数の戦いだ。カタロンと、マネキン率いる正規軍もCBの援護に回る。もはやかれらの敵はただひとつ、リボンズの母艦となった。
MSに乗ったコーラサワーも勿論戦っている。仲間たちと共にぎりぎりの戦いを続けている途中、マネキンの乗る戦艦にガガ部隊のMSが向かっていく様子を見つけたかれは、何もかもを捨ててそちらへ向かった。「俺の大佐に手を出すな!」と叫んだかれは見事MSを駆逐し、他のMSに撃たれた。「パトリック!」と思わずファーストネームで叫ぶマネキンに微笑み、「大好きです、カティ」と言って、かれは消えた。
ちょっと泣けた。セカンドシーズンでは道化度が更に強くて、もはやただの面白キャラになりつつあっただけに、余計にキた。男にしてやる、とマネキンは言った。かれは確かに男になったのだろう。好きな女を命がけで守った。彼女を守ることは、単に惚れた女を守るだけではなく、彼女に従う沢山の兵士を守ったことにもなる。ひいては国を守ったことにもなるだろう。だけど、マネキンはきっとそんなことは望んでいなかったのだ。常に冷静沈着である彼女が指揮中に立ちあがって、叫んだのだ。叫んだ時の声がまた、普段よりも少し高い、ひとりの女の声で切なかった。
散々くさい台詞を言ってのけたコーラサワーが、最後に言った言葉が飾り気のない「大好きです」で、そのこともまた切なかった。「愛してます」じゃなくて「大好きです」なのだ。しかもファーストネーム呼び!
不死身のコーラサワーなんだから、結構生き残ってたりするのかなあ。ニールが死んだときが一番悲しかったけれど、これで実は死んでいなかったオチだけは絶対嫌だと思った。戦争というのはそういうものだからだ。でも、コーラサワーさんは生きていて欲しいなあ。でへへ、と笑って戻ってきてほしい。そしてマネキンに怒られればいい。なんて、淡い夢を見てみたり。

なのでそのあとはちょっと呆然としていたのだが、本編は息をつく間もないくらいに進む進む。
とうとう侵入に成功したかと思ったら、無数のオートマトンがうようよ。トレミーとケルディムは侵入。
ライルを待ち構えているのは、兄の敵であるサーシェスだ。嬉しそうに戦うサーシェスは相変わらず非道で、一番指摘されたくないはずの言葉をどんどん向ける。「また殺してやるよ」とかれは言った。兄のように、兄を殺したように、お前も殺してやると挑発する。あああ最低でたまらない。

ラッセが0ガンダム!そういえばマイスター候補だったのだ、かれは。体は大丈夫なのかな。
ティエリアはヒリング・リヴァイヴのイノベイター組に阻まれる。
アレルヤとマリーも抗戦中。ドッキングを持ちかけたアレルヤだけれど、マリーはかなり危険な状態に。待て次回。
自身も銃を持ってトレミーから出たスメラギは、ビリーと出会う。今回のスメラギさんは腹をくくっていていい。彼女のようなタイプにしてみれば、自分が直接戦闘に出られないというのは結構苦痛なのかもしれない。戦闘に長けているわけではないだろうし、戦術予報士だって失敗すればもろとも殺されてしまうという意味では同じように命を賭けているのだけれど、じっとしていられるタイプに見えないので、行動的なほうが寧ろ彼女らしい。そんなスメラギに、ビリーは銃を向けた。こちらも待て次回。

00ライザーはアンドレイ機とルイスの乗るエンプレスにかち会う。ルイスと沙慈の再びの邂逅。とうとう復讐を自分の手で果たしたことでルイスは更に覚悟を決めたようだ。お前たちさえいなければ、と憎しみと勢いのままに攻撃を続けるルイスに向かって、沙慈は叫ぶ。「戦いで勝ち取る未来なんて本当の未来じゃないよ。僕たちは分かり合うことで未来を築くんだ」と。それはマリナの信念であり、刹那が見出した、戦いの先にあるもののことでもある。沙慈の言葉はルイスに多少なりとも響いたようだ。

そしてCパート。リボンズの元にやってきたティエリアが、かれに銃を向ける。かれがここで撃たれても、その肉体はただの器でしかなく、今回の冒頭に戻るだけだ。同じ容姿をしたリジェネと同じことを繰り返すだけだ。だからこそ、続きがどうなるのか楽しみ。
今回はむちゃくちゃ面白かった―!

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posted by: mngn1012 | 機動戦士ガンダム00 | 20:36 | - | - |