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「SOUND DRAMA Fate/zero」1〜4

「SOUND DRAMA Fate/zero」1〜4
小説「Fate/Zero」の完全音声ドラマ化。全4巻と書くと妥当な数にみえるけれど、実際はそれぞれ3+4+3+5の全15枚。しかもHPを見ていると収録したあとで容量が10分オーバーしたので予定枚数からディスクを1枚増やすということを二度もやっているらしい。そこまでして数分削らなかったこの心意気たるや。

アニメ数話を見たあと原作を全部読んだときに、アニメは幾ら枠に制限があるとは言え内容を端折りすぎだ、と思った。繰り返しになるが、モノローグを削りすぎて切嗣が何を考えてあのような行動に出たのかが分からなくなっていることが不満だったのだ。あのカットを妥当だと思っている人もいるだろう。読者の数だけ重要視する場面があるのだから、どこを削っても誰かは不満なはずだ。
しかし今、原作を読んだのちにアニメを1クール見た段階でこのCDを聞くと、全く端折らないと音になったときに疲れる、と実感した。半ば耐久戦のようですらある。ただ、ここを音で聴きたかったのに削られて残念だという落胆とか、あの場面は果たして収録されているだろうかという不安とかは一切ない。それはあらゆる原作たりうる物語を愛するものにとって、なかなか実現されない夢のようなことだ。

アニメとの大きな違いはナレーションがあることだ。絵や地の文で説明できない場面変換や時系列の変化などに解説が入る。ただ個人的にはこのナレーションはいまいちだった。昔のロボットアニメのナレーションみたいな調子が作品と合っていない気がする。もうすこしどんよりした感じにするか、いっそキャラのモノローグに場面転換の説明を織り交ぜて欲しかった。
あと不満を述べると切嗣の戦闘シーン、呪文?を唱えているところが、声がかぶさってエコーがかかって戦闘の音も流れるので何言ってるのか分からない…、あとケイネスが突きつけられた手紙を読むくだりも音が重なってはっきりしなくて残念だった。
まあ終盤のアンリマユがどうのこうののくだりは音ではさすがに訳が分からなかったのだが、正直小説読んでいてもよくわからなかったくらいなので、ここはアニメに期待しよう。泥とか門とか言われても絵が浮かばない。
しかしそれ以外には不満のない、不満の出ようがない作品だった。

それぞれの死の瞬間がとても印象的。原作を読んで楽しみにしていたランサーの呪詛の呻きが心底不幸で良かった。訳も分からないまま、何一つ果たせずに非業の死を遂げる男は、最期になってようやく声を荒げる。ケイネスに罵倒されてもあまり反論しなかったかれの嘆きは深い。そしてケイネスの最期は恐怖と苦しみと絶望にに満ちていて良かった。死だけは免れると敗北を受け入れた男は、舞弥に撃たれて死を望む。頭の血管キレそうなヒステリーも、プライドの高そうな笑いも、敗北が濃厚になってからの落ち込み具合もいい。
一方で、最期に救われたキャスターと最期まで嗜好を貫いた龍之介は幸福そうだ。実はキャスターよりも、かれを師と仰いでいた龍之介の方が心底狂って歪んだ嗜好の持ち主だったことがよく分かるラストだった。最終決戦に向かうキャスターに声をかける龍之介が物凄く楽しそうで、トレンディドラマみたいで好きだ。なかよし陣営!
イスカンダルの最期と、それを見届けたウェイバーの成長は凄く聴きたかったけれど、聴くのが怖かったシーンでもある。しかし実際のライダーは死ぬときまでずっと楽しそうで前向きで、求めているものに少しでも近づこうと歩みを進めていた。非常にポジティブな死で、爽快感さえ残る。ウェイバーが自信を喪失してうじうじしたり、イスカンダルの臣下に誘われることで救われたり、主君の死を乗り越えることで強くなっていく姿が微笑ましい。
アニメではまだ呻いているばかりのバーサーカーはどういう風に話すのかと思っていたら、結構荒っぽいというか確かに騎士・軍人という感じ。雁夜おじさんは大体いつも体調不良で、時臣を呪っているものの非常に普通の人。この普通の人であることがおじさんの魅力であり、おじさんの弱点なんだなあ。庇護対象である(と思っている)桜には子供に話しかけるやわらかい口調で語りかけ、片思い相手である葵に話すときは少し緊張している。綺礼にまんまと騙されぼろぼろになったときも、幻覚の中で死んでいくときも、雁夜は普通の人だった。大体苦しんでいるおじさんであった…。
しかし雁夜と比べてもなお、時臣ほどあらゆる意味であわれな最期だったものはないのではないか。時臣の死の瞬間は非常に呆気ない。死の間際の言葉も苦しみもない。弟子に背を向けた瞬間に一撃で命を奪われてしまっただけだ。時臣さんはもう出てくるだけで心がざわめくね!おそるべし速水奨。アインツベルンに一時休戦を持ちかけてアイリと話しているときの腹のさぐりあいのシーンが好き。
しかし何と言ってもやっぱり英雄王と神父さま。陣営別トークセッションで関さんが、stay nightで最初に演じるにあたって「星々と会話をするよう」な演技を求められたと言っていたのを聞いてすごく納得した。アーチャーが誰と話しているときもどこか距離感がつかめないというかふわふわしているのはそのためか。聖杯問答における我様論や、セイバーの願望を聞いたあとの案外庶民的な爆笑もいいんだけれど、何度も綺礼に愉悦を説くところが一番好き。やらしいですよね英雄王ね。かと思えばセイバーを口説いて大失敗したり、ライダーに敬意を抱いて戦ったり。結構人間臭いいいやつである。
(どうでもいいんだけどアーチャーはサンフォン伯爵夫人、シミアーヌ男爵夫人が時臣で綺礼はルネだと思う。璃正がモントルイユ夫人。三島由紀夫の「サド侯爵夫人」ね!爵位が三位だなんてギルガメッシュは許してくれなさそうだが。)綺礼が徐々に愉悦に目覚めていく過程もいいなー。切嗣に固執する綺礼の空回りや、アイリに馬鹿にされて動揺するあたりもいい。
セイバーにとっての本当の意味での理解者はアイリとランサーだったと思う。意見の合わないところか口すら聞かないマスター相手に戦うことの苦しみを、その二人の存在が癒してくれた。アイリに騎士として振舞う彼女や、ランサーと騎士道を重んじて戦う彼女は充実している。しかしランサーが戦線を離脱し、アイリが人間のかたちを保てなくなると、セイバーには孤独がつきまとう。誰とも意見が合わない中、馬鹿にされるばかりの信念を大切に一人で戦わねばならない。徐々に意気消沈していくセイバーは、最終的に何もかもを打ち砕かれて始まりの場所に戻る。後半のセイバーの鬱屈とした感じ、バーサーカーの正体に絶望して叫び、全てを台無しにして「ごめんなさい」と繰り返しながら消えてゆく無念さがやるせなくて好き。
切嗣の幸福な少年時代とその終わり、死の間際の穏やかな会話も不憫でいい。だけど、ナタリアの乗っている飛行機を撃つくだりが一番好きかもしれない。正気のまま狂わなければならないひとは大変だ。

さあ二期が楽しみだ!
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posted by: mngn1012 | 音源作品 | 19:16 | - | - |

「石丸幹二のミュージカルへようこそ」

このジャケット、衣装も背景もポーズもト音記号も素晴らしく好みである。すばらしいよ!

各20曲収録されたディスク2枚からなる、ミュージカル曲のコンピレーションアルバム。そのうちディスク2の最後の2曲は録りおろしの「愛と死の輪舞」「震える男」となっている。まあはっきり言ってこのディスク2の19曲目のために買ったわけです。

あの夏舞台で何度も聞いた「愛と死の輪舞」とは違って、非常にお行儀が良いというか、丁寧でまじめな「愛と死の輪舞」だった。あの爬虫類のような、ねっとりした、自己愛と自我のつよいトートは、メイクと衣装と舞台装置と対象となるシシィ、それら全てが揃ってこそ成立した存在なので、それでいいと思う。見ている人間を力づくで引っ張って流れに巻き込むような力のある、けれどシシィの前では空回ってしまうどこか不器用なトート。けれど彼女の長女の命を奪うことも、長男の夢を砕いて命を奪うことも辞さない、罪悪感を覚えることすらないトート。そういう存在ではなくて、非常に誠実に歌い上げることで、トートの切なさが伝わってくる。
黄泉の帝王が、なんでもない一人の少女に一目惚れをしてしまったことへの戸惑い、うまれたばかりの恋へのためらい、胸を焦がすものへの驚き、ときめきすら伝わってくる。そしてこれから始まる長い駆け引き。おかしな話だけれど、トートって本当にシシィが好きなんだな、と改めて実感させられる。

「震える男」は年末に上演される「GOLD~カミーユとロダン~」の曲。予定が合えば見に行きたいんだけれど、どうかなー。見る可能性がある舞台に関しては、出来るだけあらすじを知らずにいたいのでロダンについても芝居内容についてもろくに知らないままなんだけれど(WEBで公開されている三曲は聞いた)、この一曲でも非常に色々と話の筋が見えて興味深い。
トートとはまた違う、弱さや後悔の滲む感情のブレがいい。引き裂かれそうな感情の中で、恋と彫刻をはかりにかけて必死に立っている。

それ以外の38曲も、さすがに大量の曲の中から選ばれただけあってすてきな曲がいっぱい。ミュージカルの曲とかさっぱり知らないもので、非常にためになるというか役に立つというか、いくつも扉が用意された感じ。気に入ったら扉を開いて足を踏み入れればいいよ、と提示されている。もうちょっと暗い曲があっても嬉しかったけれど、取り敢えず初心者には優しいCD。

東宝エリザベートも新しいCD出さないかな…既存のお二方だけじゃなくて武田・石丸・城田トートのCDもほしいよ!

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posted by: mngn1012 | 音源作品 | 22:05 | - | - |

LaLa 2010年11月号/夏目友人帳 「夏目音物語集」

LaLaの付録に「夏目友人帳」のドラマCD。何度かCDが付いてきたことはあったけれど、今回はCDを収納できるクリアケースとブックレットがついている。雑誌から切り離したあとの保管が楽で、とっても良い案だと思う。

1「夏目、文化祭に参加する」
8巻<感想>に収録されているエピソードの音源化。そろそろ文化祭の季節、という設定は今の時期とうまく噛み合っている。初めての文化祭に戸惑いつつも楽しみに思う夏目は、案の定妖の事件に巻き込まれてしまう。

「夏目友人帳」は原作もアニメの作画も音も演技も全部がやわらかくて優しい色をしている。それは見ようによってはとってもさみしい色なんだけれど、気の持ちようひとつで穏やかで暖かい色にも見えてくる。

「小さい頃からときどき 変なものを見た」というフレーズで始まる夏目のモノローグはもはやお馴染みなんだけれど、これを聞くと毎回馬鹿みたいにどきどきする。
川に落ちた夏目を、二人の友人は助けてくれた。ぼうっとしていることが多い夏目を罵るでも気味悪がるでもなく、文化祭の前に風邪でもひいたら楽しめないじゃないか、とかれらは怒る。夏目を大切に思うからこそ、怒ってくれる、のだ。そしていきなりずぶ濡れの三人が帰ってきたことに驚いた塔子さんは、決して怒らない。寧ろ、そういう夏目を歓迎している。友人とばかをやることも、自分たちに遠慮せずかれらを連れてきたことも、嬉しそうですらある。夏目の周りは暖かい。

バザーで接客の仕事を割り振られた夏目に、皆が笑顔の接客を推奨する。それに対して「いつもにこにこしてるぞ…」という夏目の真面目なトーンが可笑しい。
皆が文化祭に対する意識を高めている中、夏目だけが気もそぞろだ。妖の気配に敏感になるあまり友人たちの会話を聞き逃すことは珍しくないし、かれらも多かれ少なかれ夏目はそういうぼんやりしたところのある人間だと受け止めてくれている。けれど今回ばかりは違った。かれらは、自他ともに向いていないと判断できる夏目の接客業を心配している。そのことばかりが気がかりで、夏目本人も当然そうなのだと思っている。そして同じクラスの西村に至っては、「本当に嫌なら変わってやる」とすら言ってくれる。そこまでかれらが親身になってくれるのは、夏目が特殊な身の上の少年だからでも、かつて遠くから引っ越してきた転校生だったからでもない。友達だからだ。その喜びが自分の喜びになり、その哀しみが自分の哀しみになる、大切な存在だからだ。「お前が楽しいのがいいんだ」という友人たちの言葉の意味に、夏目は気づけただろうか。夏目がかれらや塔子さんたちを守りたいように、かれらもまた夏目を守りたいのだと、夏目が辛ければ自分も辛いのだと。大切に思っているのは自分の方だけではないのだと、気づけただろうか。
その言葉を受け取った夏目は、布団の中で「幸せなんだ どうしたらいいんだろう」と泣く。かれにちゃんと伝わったのだ。夏目が大切にしているものは夏目を大切にしている。同じ強さで思われている。そんなことにもかれは慣れていなくて、いちいち戸惑う。そして全てを察しているだろうニャンコ先生は、何も言わないでいてくれる。
この台詞は原作でもすごく印象に残った台詞だったので、実際音で聴けてうれしかった。

だからと言って夏目は一気に変わらない。文化祭本番、妖を封印するために現れた名取と柊に、かれは「すいません」と謝る。決して夏目が悪いわけではない。かれの存在が妖を呼び寄せていることは確かだけれど、人間にとって災厄を齎す妖が存在することはかれの所為ではない。名取も柊もそんなことは分かっている。今更いちいちお前の所為ではない、とは言わないけれど、二人が夏目に接する声音がとても優しい。
名取さんのキラキラSEは相変わらず!

妖を封印するため、皆を守るために頑張りすぎる夏目は倒れてしまう。意識を失ったかれが思いだす、西村と北本との一日が優しすぎてせつない。誰にも構われなかったために自転車に乗る練習ができないまま高校生になった夏目を、二人はからかわない。過度に哀れみもしない。それこそ十年くらい前に自転車に乗れるようになっていたであろう二人は、夏目の練習に付き合ってくれる。二人が夏目のいないところでその相談をしたのかな、って思うだけで泣けてくる…それも夏目が可哀そうだからじゃなくて、夏目と一緒に遠出したいからだって思うと…。
そして夏目は改めて思う。大切なかれらを守りたい。かれらに妖の恐怖を味わわせたくない。「大切なんだ どうすればいい わからないことばっかりだ 不安なことばっかりだ」と。夏目は方法が分からないのだ。とにかく守りたいという気持ちばかりが先走って、そのために何をすればいいのか分からない。だから何度も危ない目にあって、皆を心配させて、後悔する。けれど大切なひとたちはかれの傍からいなくならない。離れたりしない。そのことを少しずつかれが知っていくといい。不安が少しずつ和らぐといい。神谷さんの夏目は繊細で、まっすぐなんだけれどどこかかわいそうでほんとに好き!

2「ニャンコ捕物帳」
ニャンコ先生を、行方が分からなくなっていた「ミケちゃん」だと勘違いしたおばあさんに連れて帰られた夏目は、先生を取り返すために、ミケちゃんの捜索を開始する。そのために親しい妖怪たちを頼る夏目は誰かを頼るようになっただけ成長したのだろうし、ニャンコ先生の正体を知っているかれらの方が話が早いのも分かるんだけれど、まだ友人たちには頼れないんだなあ、とも思わされる。
しかし10分未満の話なのに、準レギュラー妖怪総出演でとっても豪華なこの話。アニメに出ていた妖怪たちにまた会えるのは嬉しい。
基本的には妖怪たちの自分勝手でおばかなテンションに結局翻弄される夏目と、かれらのニャンコ先生への罵倒じみた表現を楽しむ話である。ニャンコ先生の言われようがひどすぎて面白い。ニャンコ先生の必死の美声もおもしろい。
その反面、多分このままミケが見つからなくて、おばあさんがニャンコ先生をミケだと思い続けるなら、夏目はつよく返してくれと言えないのではないかと思えてくる。エサに釣られておばあさんの元へ行った先生がそのうち帰ってくるんだろうけれど、そうでもないと、夏目はおばあさんからミケ(だと信じているニャンコ先生)を奪えないんだろう。とか勝手に想像して切なくなれる神谷夏目の不憫さである。
とは言え実際のストーリーは最後まで面白おかしくオチる。

雑誌の付録とは思えない豪華さと、相変わらずのクオリティ。普通に販売するCDでもいいのでまたやってほしいな。三期もね!

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posted by: mngn1012 | 音源作品 | 22:38 | - | - |

ルビー文庫創刊17周年フェア 応募者全員サービスCD「Ruby Station~Version B~」

対象になっているルビー文庫と、1000円分の為替で応募できるCD。ちなみにバージョンAとBがある。両方頼んだのだけれど、こちらは一日遅れで届いたB。
パーソナリティはAと同じく和彦さんと神谷さん。
全部で30分強くらいのCD。

・オープニング
OPのみならず、全体的にバージョンAありきで進む感じ。続きの話などは勿論ないんだけれど、Aを取ってからBを取ってるのね、というのが顕著に分かる。
ルビー文庫の17周年にひっかけて、17年前に何をしていたか、という話では、Aのときはぼんやりしていた神谷さんの声優歴がここで明らかになる。「ルビー文庫に出るために声優になりました、神谷浩史です!」とか、神谷・R(ルビー)・浩史と井上・R・和彦とか、Aよりフランクかな。

・特選☆ルビー文庫・名セリフ集
その名の通り、名セリフ紹介コーナー。
紹介した作品のあらすじを元にしたトークもろもろ。もはや生意気な後輩が可愛らしい和彦さんとか、それぞれ仕事でリムジンに乗った経験のある二人の庶民感覚が抜けない困惑とか、爵位としゃっくりでオヤジギャグとか。
あとはバーの話。お酒の弱い神谷さんはバーに行くタイミングが分からない、と言いだす。こういうところがカミヤヒロシの面白いところというか、カミヤヒロシの地味にグッとくるところだと思うのだ。やけに難しい言いまわしを選んでみたり、距離を取るような言い方をしたかと思うと、いきなりこういうことを何の気なしにぽろっと言ってしまう。役者として全然普通じゃないところと、物凄く普通のひとのところのアンバランスさが絶妙、と思ってしまうファンでございます。わたしもまだまだいけるな。
バーの高い椅子に座れない、と言う話がばかばかしくてかわいかった。

・質問コーナー
応募券についていたアンケートに基づいたトークコーナー。
BLCD創世記の苦労話、を請われて話す和彦さん。
まだCDじゃなかったとか、マイクの配置とかは、和彦さんだけでなくこの時代から作品に出続けていたひとが皆口をそろえて言うエピソードなんだけれどやっぱり面白い。
最初の抵抗とか戸惑いとか、腹の括り方とか、徐々に理解していく辺りの話もいい。時代も時代だし、そりゃ最初っからひとつも抵抗なく受け入れられるものではない。役者としての「割り切り」がBLで培われた、というのは本音だろうなあ。

和彦さんへの質問なので、神谷さんは質問役(司会進行役)に徹するんだろうな、と思っていたのだが、自ら思っていることを話し始めたのに驚いた。なんとなく神谷さんは作品のフリートーク以外でこういう話をすることを避けているというか、うまいこと他の人が話すように仕向けて自分はさらっと流している印象だったので意外だ。とは言え話の内容についてはほっとんど喋っていないのだけれど。そのあたりは慣れっこというか、お約束なのでいい。
BLはキャラのモノローグで話が進む独特な作りなので、マイクが独占できること、アニメなどでは想像できないくらい一杯喋られせてもらえることがありがたい、とのこと。さらっと「原作を参照」って言ってたのもグッときたよ!

あとは女性に言われて嬉しい言葉、という質問に対して、「異性と話せるだけでうれしい」と言ってたのも可笑しかった。メアドを聞かれると嬉しい、とにやにや声で言う神谷さんに、和彦さんが素のトーンで「え、女性に言わせるの?」って突っ込んでいた。言葉に詰まって返事に窮する神谷さんが気の毒でいい。和彦さんはナチュラルボーンリア充(悪気なし)なので、神谷さんの中にある非リア心が如実に浮き彫りになる気の毒な結果。未だに異性と何喋っていいか分からない、っていう話にちょっと納得してしまった。その匙加減が結果的にモテないキャラを確立させて、トークを面白くしていると思うのだ。実際のことはこの際どうでもいいんです!

・エンディング
17周年記念、という企画に対してその数字を「若干中途半端」だと笑顔で切る神谷さん。20周年の暁には「キスのやり方教えてあげる」と謎のスイッチが入った和彦さんに場内大爆笑。

以前あった「BL裏話」を彷彿させるようなエピソードが聞けたり、普段の話が出たりとこちらも面白かった。内容的にはAB甲乙つけがたいけれど、ノリがゆるくて自由なのはBかな。満足。
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posted by: mngn1012 | 音源作品 | 21:57 | - | - |

ルビー文庫創刊17周年フェア 応募者全員サービスCD「Ruby Station~Version A~」

対象になっているルビー文庫と、1000円分の為替で応募できるCD。ちなみにバージョンAとBがある。両方頼んだのだけれど、本日Aだけが先に届いた。
パーソナリティは和彦さんと神谷さん。
全部で30分強くらいのCD。

・オープニング
声優活動37周年の和彦さんと、自分が何年目なのか分からない神谷さん。神谷さんの下の名前が「たかし君」だと混同する和彦さん。それ夏目や。
「最後まで聞かないとおしおきだぞ!」という、ユニゾンかつエコーのかかった決め台詞があるのだが、これについて一切言及されていないあたりが面白い。コーナータイトルの前の小芝居台詞も可笑しい。何なのこれ。

・特選☆ルビー文庫・名セリフ集
その名の通り、名セリフ紹介コーナー。物語の中にこの手の台詞が存在する分には別に問題ないんだけれど、より抜きでそこだけ紹介されると物凄く恥ずかしいな!乙女系のCDとかもその要領で恥ずかしい。
ジャケットには、09年11月刊行の作品七点のイラストが使われている。このうち●点がCMのように紹介され、残りの○点はあらすじと名セリフが紹介される。この台詞の時に超エコーがかかってて可笑しかった。いい声で台詞を言ったあとは、その設定や台詞についての二人のフリートークっていうか雑談が繰り広げられる。設定を自分たちにあてはめたりして、自然と相手を女性にして盛り上がるのだが、和彦さんと会話してるといかに神谷さんが妄想炸裂かが如実に分かるな…。実際はどうであれ、和彦さんが真っ当な分、芸能人に恋してるモテない高校生男子みたいで面白い。

しかしだな。11月刊にブルーサウンドの短編集二冊があるのに、そこがあらすじのみのCMになっているのは宝の持ち腐れじゃないのか…両方に笙惟が出てるので、笙惟の台詞をご本人様がおっしゃっても良いんじゃないのかな…持ち役だよ持ち役…。

・質問コーナー
応募券についていたアンケートに基づいたトークコーナー。
和彦さんの若さの秘訣についてとか、神谷さんの役作りの話とか。この役作りの話が、神谷さんだけでなく和彦さんの持論も含まれていてすごく面白かった。声をつくる・声を変えるのではなく、演技を変える、というのは考えてみれば当然なんだけれど、結構見落とされていることなんだろう。よっぽどデフォルメされたキャラでない限り、問われるのは声音や声質ではなく話し方だ。あとは脚本読んだ時点で演技は出来上がっている、と和彦さんが言っていて、それに神谷さんも賛同していた。神谷さんがよく「どういうふうに喋るのか声が鳴る、聞こえてくる(もしくはこない)」って言うけれど、そういうことなんだろうな。真面目な話だけれど興味深い。
二人が共演するならどういう話がいいか、というお題では、和彦さんが弟をやりたいと言いだす。そのあと和彦さんが突発でやった弟が明らかに幼稚園児か小学校低学年なんだけれど、「私立聖帝学園幼稚舎」を思い出した。いつまでたっても照れが取れない二人と違って、自らノリノリで児童をやり続ける和彦さんがおそろしい。

・エンディング
そつなくエンディング。18周年もこの二人で、とアピールを忘れない神谷さん。

作品の一部分をドラマ化していた「ルビーにくちづけ」とは違って、ほぼトークCD。どちらかと言えば遊佐さんと神谷さんがやっていたGUSH channelと似た作りかな。それよりも更にBL度数は低いと思う。なのでルビー文庫や作品が好きで注文していたらちょっと拍子抜けするかもしれない。殆ど作品については言及されない。
個人的にはトークCDとして楽しめたのでよし。

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posted by: mngn1012 | 音源作品 | 22:23 | - | - |

KISS×KISS COLLECTION Vol.9「ツンデレキス」(神谷浩史)

今更ながら買ってみた。もともとこの手の語りかけCDはそれほど自分の中で優先順位が高くないことと、出た当時はほかに買うものが沢山あったのだ。それに伴って、聞くものが沢山あったのだ。
最近は尋常ならざる量のアニメで見ることができるのだけれど、そうなるとこういう毛色のものが恋しくなってくるという我儘っぷり。

主人公がシチュエーションでキスをする、そのシーンを切り取ったドラマ。今回の主役である兎狩咲夜という高校三年生は、CDのサブタイトルの通りツンデレである。
他のひとのCDは聞いていないのだけれど、キャストとタイトルからして、演者の得意ジャンル・有名ジャンル・人気ジャンルをテンプレ化した設定が与えられている様子。容姿もどことなく既存のキャラに似ていたりする。顕著なのはVol.6の小野さんの「バトラーキス」かな。一応バトラーと英語にしたもののまんま執事。ジャケ絵の雰囲気もなんていうか、飽くまで執事のあの人風味。
今回の主役咲夜は、青い姫カットで一見早乙女アルトのようだけれど、眼鏡といい横の髪の感じといい、ティエリア風味。
この商売をうまいと言うべきなのか、姑息と言うべきなのか、ともあれさまざまなシチュエーションの咲夜が堪能できる。

内容は上述の通りテンプレツンデレの咲夜が、最近告白されて付き合い始めた恋人と、ぎこちなさ全開の初々しい関係を続けていくもの。プライドが高くて偉そうなことばかり言っているけれど実は誰かと付き合うのは初めてで、緊張している。苦手なアトラクションにも無理をして参加しようとする。
キャラの身長体重誕生日なんていう細かい設定まで、ブックレットには書いてあるのだけれど、実際CDのなかでは殆ど触れられない。かれの名前が何であるのかすら、CDだけ聞いてるとよくわからない。おそらく故意なのだろう。一応キャラがいるけれど、そこは聞く人の想像を優先してくれそう。
そしてこれが故意なのかどうかはさっぱりわからないけれど、話しているかれを咲夜以外のキャラに置き換えることが可能なように、自分であるところの「咲夜と付き合い始めた恋人」が別に女の子じゃなくてもいいような代物になっている。そう思うと俄然たのしくなってきたぞ!

正直脚本に目新しさや、何か特筆すべき点はないのだけれど、たまにはこういう耳触りのものを味わってみたかったのだ。

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posted by: mngn1012 | 音源作品 | 23:29 | - | - |

神谷浩史のオールナイトニッポンR 反省会

ニッポン放送の携帯サイトで購入できる。本編もいくつかに分けて販売されているのだが、そちらはラジオで聴いていたので、放送後に録り下ろされた反省会のみ購入。
7分ほどで150円。

基本的には最後30分の中で放送された「駄目だしのコーナー」と同じ。神谷さんと、ふかわさんを除く構成作家四人が集まって、放送についてああだこうだ言う企画。
企画は同じだけれど、携帯電話のみの配信ということで、内容が全方向にちょっと過激かな。大事MANブラザーズバンドのくだりに切り込む伊福部さんは、神谷さんの対JASRAC対応が大人すぎて腹が立ったご様子。あとはあのコーナー必要だったのか、などというぶった切りもあり。
諏訪さんは諏訪さんで、ド下ネタで責めてくる。匂わせるようなネタではなく、ひどいモロ下ネタ。それに乗っかった揚句、逆ギレする神谷さん。昔のヒット曲を口ずさんだほうがよっぽどましだと思うよ!

あとは神谷さんが自分が喋るときの癖の話をすると、「いっこもラジオに向いてない」と全否定が入る。ラジオに向いてないベストパーソナリティ賞の人…。

伊福部さんが韓国に持って行った写真がどれだったのかも判明。勝手に最近の宣材写真だと思って聞いていたんだけれど、そうじゃなかったと知って驚いた。確かに持ち運びには良さそう。

全体的にだらだら喋ってだらだら終わる。これで150円を高いと思うか妥当だと思うかは微妙なところだけれど、個人的には満足。

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posted by: mngn1012 | 音源作品 | 23:33 | - | - |

神谷浩史のオールナイトニッポンR

神谷浩史のオールナイトニッポン、という話を最初に知ったのはTwitter上で、忘れもしない4月1日だった。もっと前から発表になっていたのかもしれないし、わたしのTL上でも話題になっていたのかもしれないが、少なくともわたしが知ったのはその日だった。よりにもよって4月1日。沢山のエイプリルフール特設サイトがTLで紹介されていた日に飛び込んできた知らせを聞いても、何が何だか分からなかった。伝統ある番組の名前を堂々と使っている以上は本当なんだろうとは思ったけれど、さすがにびっくりした。

当日、12時半くらいから仮眠をとって、2時55分に携帯電話のアラームで飛び起きてラジオをつけた自分、にも、びっくりした。

***
・そんなヒロシにだまされ「た」
いきなりコーナーから開始。神谷さんのファンになって知った残念なところを投稿するコーナー。
高貴な声に夢中になってみたら、下ネタばかりで残念だった、という話。本人もプリプリのドラマCDで、声だけは頭が良さそうだというようなことを言ってたなあ。読みあげる声と間に挟む本人の一言コメントが必要以上に良い声なので、投稿内容と非常にちぐはぐで可笑しい。

そして「ビタースウィート・サンバ」に合わせてのタイトルコール。「神谷浩史のオールナイトニッポンR」というフレーズの、絶対的な違和感がたまらない。ものすごく違和感があるのが良い。本人が「気持ち悪い!」と思わず言ってしまって、そのあと必死で弁明をしていたけれど、その気持ち悪さこそが違和感によるものではないかな。神谷浩史という存在と、オールナイトニッポン、という存在の不思議な噛み合わなさ。いやーでも実現しちゃった。すごいすごい。わたしは元々ラジオを聞く習慣があるわけじゃないし、ANNだって真面目に聞いたのはほんの僅かな期間だけだが、それでもこの番組がいかに有名なものであるのかは知っている。そこに神谷さんが出るってなんかすごい!

新人時代のニッポン放送での思い出を話してから、そんな場所で番組が出来ることの驚きに繋いで、自己紹介。アニメのレギュラーとラジオのレギュラーの多さ、そして声優アワードの話をしたのち、仕事が順調で調子に乗っている神谷さんが、ラジオの作家を呼び寄せて、面白い番組を作ってもらおうじゃないか、という趣旨説明。
「神谷浩史のラジオの集大成にしたい」という言葉が印象的。

♪「デビルマンのうた」

・神谷浩史は本当に人気NO.1声優なのか街角調査
構成は伊福部さん。
アジアNO.1人気声優として名高い神谷浩史だが、はたして本当にそうなのかを検証する、更にクイズにして神谷さん本人に回答させる、という悪意あふるる企画。アジアNO.1というキャッチフレーズについて神谷さんが「脳直で考えたような」と称していたのだが、最近「脳直」ってよく言ってる。結構言葉のブームがあるよねこのひと。

企画としては、実際に伊福部さんがいくつかの街に行って、通りがかった人(全員女子だった)に宣材写真を見せて「この人知ってますか?」と聞く。そのあとティエリアや糸色望のイラストを見せて、「このキャラ知ってますか?」も聞く。その中で得た回答のうちいくつかをクイズにする、というもの。
ひとまず秋葉原で聞いたところ、さすがに知られている。そのあとは渋谷へ。当然ながら秋葉原のようには行かないのだが、知らない、で終わらせるわけにはいかないので、「何している人に見えますか?」などと突っ込む突っ込む。渋谷の女子の回答が面白かった。面白いところをピックアップしているだけなんだろうけれど、パネル見て「引っ込み思案」って言われてた。「当たってるし」と神谷さん。
企画からしてひどいこのコーナーの中で一番ひどかったのは、伊福部さんが「かれはとあることでアジアNO.1なんですが何でしょうか」という質問。この言いざまは鬼畜だ!
その様子を聞いている神谷さんが突っ込むんだけど、もう散々。秋葉原で結構持ち上げたあとなので、打たれっぱなし。だめだよそれでなくても自己否定がつよいんだから、どんどん萎れちゃうよ!でも面白い。
あとなぜ神谷さんしか答える人がいない、しかもラジオなのに、パネルに回答を書く音がしたんだろう。別にそれを後で利用したりすることもなかったのでフシギ。

更には海を渡って韓国へ。何かのついでかと思ったら、伊福部さんがTwitterで自費で行ったとつぶやいていて驚いた。
この人の職業は何だと思いますか、と聞かれた韓国の人が「フリーター?」と言ってたのに笑った。どういうクイズよそれ!フリーター顔の神谷浩史。あと芸能人として個性が足りない、という駄目だしまでされていて噴いた。通訳の人も噴いてた。こういうのって面白いこと言おうとして言えることじゃないので、神が降りてくるまで地味にアンケートを取るしかないのだろうなー。

<デブキャラジングル>
オールナイトニッポンRデブー。

韓国のオタクタウンらしきところでも街角調査。
ティエリアのイラストを見せて何のキャラか知っていますか、と聞かれた韓国の人が「コードギアス…?」と不安そうに言ったのを聞いて、「コ、コードギアス、コードギアスじゃないよ!」と慌ててたのが素のトーンで笑った。すでにこの時点でかなりテンションが下がっている。
しかし神谷さんを知っている人もいたり、にゃーさんの名前を知ってる人もいたり。すごいなあ外タレだよ!あと韓国ではティエリアより糸色先生の方が認知度が高かった。偶然という可能性も勿論あるけれど、ガンダムというコンテンツと比較してひけをとらないって凄いな。くめたんすごい。いつのマガジンでネタになるのかな!
しかし結局一番人気だったのは諏訪部さんだった、というオチ。諏訪部さんがアジアNO.1声優になられたそうです。

時間配分的にも企画の大がかりさから言っても、これが目玉企画だと思う。馬鹿馬鹿しくて面白い。自分を知っている人が出れば嬉しそうな声を出し、めためたに言われるとどんどんトーンが落ちるツッコミがいい。

<ティエリア・アーデジングル>
俺は僕は私は!

・誰も聞いたことがない神谷浩史
構成は諏訪さん。
これまでにされたことがないような質問を募集して、それに神谷さんが答えるというコーナー。ひたすらシュールな質問がくるので神谷さんがたじろぎつつ答えると、諏訪さんがその話を膨らませるようカンペ指示を出す。
「一番好きな大事MANブラザーズバンドの曲はなんですか」が良かった。かなり動揺しつつも答えようとするのだがタイトルが分からず、かと言って口ずさむと色々問題があるだろうという判断を瞬時にしたようで、「なんとかこと、みたいなやつ!」というぼかした答え。ちなみに「それが大事」ですね。
お風呂場はどれくらいの頻度で洗いますか、と聞かれた神谷さんが「一か月に一遍だよ」と答えると、諏訪さんが普通に驚いた声を出していた。「言いなおしたほうがいい」「言いなおした方がいい」と二回言われたので、「三日に一遍かな!」というパブリックイメージが構築されることに。毎日だときれい好きすぎて困るもんね、の裏には、モテようとする意図があるように思われる。
「上り坂と下り坂どっちが好きですか」という質問に、素で「一緒じゃねえの」と答えたところでキュンときた。なんでなのかは自分でもよくわかんない。ちょっと距離を置いてるところがいいのかな。

わたしがDGS好きということもあるんだろうけれど、この企画が一番好きだった。諏訪さんの考える、動きのない企画がすき。ひとりあそびっぽいというか、馬鹿馬鹿しいだけに贅沢な企画。

<ネコ神様ジングル>
ちょっとトークと被ってますにゃ。

・そんなヒロシにだまされ「た」
構成は構成Tこと田原さん。 
冒頭でもあった企画の続き。自分のファンが自分のどういうところにガッカリしたのかを自分で読みあげるってどういう罰だ!
肩負傷ポーズとか髭とかお渡し会での挨拶の駄目だしを畳みかけるようにされたあと、苦笑しつつ謝罪しつつ、「自分の顔とか格好に自信がない」って言ってたのも好きだ。「見た目はどうでもいい」って言いきれない感じが好きというか。どうでもよ…くもないしっていうか結構服とか好きだし、頓着がないわけじゃないし、でもそれは本筋じゃないからやっぱどうでもいいんだけど…みたいなその煮え切らなさこそが人間っぽい。自信がないのは発言や行動の随所で出ているので、それを今一度言葉できっちり言わせてしまうことが、それを聞いてしまうことが心苦しくもあるのだけれど。
個人的には神谷さんのお辞儀大好きだけど、お渡し会だと確かにちょっと残念かもだ。

衣装の股間に文句を言われた神谷さんが、「俺の浩史自身についての問題だから、親に文句言ってください!」と言っていたのに、こないだのSYYの天狗さんを思い出した。「僕の母さんに言ってくれよー!」のネタ。


冒頭でトークが残念だというネタを使い切ってしまったので、後半が容姿の話ばっかりになってしまった印象。個人的に神谷さんの残念なところは、猫に対する異様な甘えた口調と、たまにかぶっている珍妙な帽子と、使い方を間違えている敬語だと思います。
まあ全部萌えに転化できるんだけどね!

<糸色望ジングル>
コーナーと似合いすぎて、ジングルだって一瞬気付かなかった。

♪「駆けろ!スパイダーマン」

<夏目貴志ジングル>
名を返そう。

・SSS(スペシャルショートストーリー)
構成はふかわさん。ヴァルキュリア2のラジオの方だと思うのだけど、漢字表記が分からない。
リスナーから募集した演じて欲しいシチュエーションを織り込んだ脚本を演じるコーナー。

話は二本あって、どちらもキャラは神谷さんのまま。
一本目は、なぜかメイド喫茶の店員を一日やることになった神谷さんの話。当然やる気はないので客にひどく当たっているうち、「いつの間にかS心に火が付き」暴走する主人公。かと思えば客が帰るのかと焦ったり、しおらしく優しくしてみせた直後にまたひどく当たったり、のテンプレツンデレではしゃぐ。ツンデレキャラをよくやるだの、本人がツンデレだのと言われているけれど
しかし自分の様子を見に来たマネージャーが来たので、慌ててノリノリ接客に切り変える。出た浩子!マネージャー相手に媚びまくる浩子ちゃんを堪能する。

二本目は、自分の家で、気づいたら小さくなっていた神谷さんの話。にゃんこ先生の背中に乗って大冒険、というヒロシ・イン・ワンダーランド。

特にコメントもなく、二本演じてさらっと終わる。個人的には可もなく不可もなく、というコーナーだった。むかし石田さんが留守番電話設定で一人七役を演じられたみたいに、一人で何役もやったりすれば面白かったんじゃないかな、と無責任に言い捨てておく。

<阿良々木暦ジングル>
蕩れ!

・神谷浩史のゲームインプレッション&レビュー
構成は川添さん。
ラジオの構成以外にも色々なことを手がける川添さんが最近開発したゲーム・合コンシュミレーターを実際にプレイして、そのレビューをする、という企画。
で、川添さんが作ったゲームっていうのが、サイコロを振って出た目の数だけコマを進めて、そこに書いてある指令をこなすという画期的な商品。紙の上を進んでいくってやつ。うん、すごろく。神谷さん対川添さん。
このあたりで一時間経過していたこともあってか、序盤からテンションが異常だった。「ふりだしに戻る」で大笑いしたり叫んだりしていて心配になった。「甘える」というマスにコマが止まったときの甘え方が猛禽ばりだったり、川添さんから1000円貰って大喜びしたり、バカ騒ぎしてとっても楽しそう。

後半は川添さん、神谷さんの順番で、終わるまでスクワットをしながらプレイすることが決定したので更にカオス。大の大人の男二人の荒い息とチンチロリンの音が鳴り響く、かなり異様なラジオだった。いかがわしいものを聞いているような気になった。
神谷さんが勝利したけれど、結果的に買ったのは川添さん、というオチ。

企画・内容が面白かったというよりは、テンションの勝利。

<折原臨也ジングル>
ラジオラブ!

♪「キカイダー01のテーマ」

<間桐慎二ジングル>
わかめ!

そしてここで1時間半経過したため、一部の局とはお別れ。不思議なシステム。

・駄目だしのコーナー
ふかわさん以外の構成作家四人と神谷さんでの反省会というかフリートーク。順を追って感想を言っていくんだけれど、伊福部さんが「僕はなんか悪いことしましたか?尺ですか?」と開き直っていた。確かにあの企画尺むちゃくちゃとってたもんな。
自分が今パーソナリティを勤めているラジオの構成作家五人を集める、というのは神谷さんの案だったらしい。構成の総括をしたのが構成Tだと聞いてすごく納得した。ベタながら冒頭にコーナーを挟んで軽くジャブるところとか、間のフリートークの挟み方とかがSZBHっぽいな、と思ったのだ。

他の作家がいる、他の作家が聞いているのはやりにくい、「ぎくしゃくはしてますよね」 と散々ぼやく四人。ちょうど仕事で来られないふかわさんのコーナーの駄目出しを、ここぞとばかりにやる四人。「その辺が若いな!」「配信には一番向いてる」「汚いなーあいつ」「会ったことねえけど!」 などなど、大人っていやらしい!

・神谷浩史のつぶやき
お馴染みiPhoneの瞬間日記をネタに喋る。
suicaペンギンかわいい、kitacaのキツネかわいい、と嬉しそうに喋っていた。キタカちゃん、というときの口調がちょっとにゃーさんに話しかけるときの口調に似ていた。かと思えば邪気眼神谷が登場したり、荒川アンダーザブリッジのOPで名前がクレジットされたのが嬉しいと語ったり。

あとはメールを読んだり、曲の話をしたり。印象に残ったのは、リスナーに一言、と乞われたときに言った「自分にとって特別なメディアであるラジオを、面白いと思ってくれる人や楽しみにしてくれる人がいることがすごくうれしい」というような話かな。
ラジオが神谷さんにとって特別なものである、というのは声優アワードの授賞式でも語っていたので、その話も思い出した。レギュラーが多いので、それぞれの方向性・色を出すことももちろん求められるのだろうけれど、全部の根本に流れているのはやっぱり「楽しいものをつくる」「楽しませる」だと思うのだ。神谷さんに限ったことではないのだろうけれど。
ためになる、考えさせられるではなく、笑い飛ばせるもの、楽しいもの。

楽しいラジオだった!
「回を重ねるという野望」なんてことも話に出ていたけれど、これが毎週になったら体がもたないよ!

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サウンドシアター ドラマCD「ロミオとジュリエット」

イメージ・アルバム,石田彰,神谷浩史,石川英郎,成瀬誠,菅沼久義,楠大典,橋詰知久,河本啓佑,楠見尚己,竹本英二

サウンドシアター ドラマCD「ロミオとジュリエット」
モモグレメンズオンリーシリーズという、男性声優だけで構成されるドラマCDの第三弾。
 
石田彰(ロミオ/男性)
神谷浩史(ジュリエット/女性)
石川英郎(ティボルト/男性)
成瀬誠(ベンヴォーリオ/男性)
菅沼久義(マキューシオ/男性)
楠大典(乳母/女性)
橋詰知久(モンタギュー/男性)
河本啓佑(モンタギュー夫人/女性)
楠見尚己(キャピュレット/男性)
吉野貴宏(キャピュレット夫人/女性)
溝口謙吾(エイブラハム/男性)
増田隆久(パリス伯爵/男性)
竹本英史(ロレンス神父・ナレーション/男性)
性別付きキャスト表。

映画とか舞台とかで見ているので大筋は把握している。
ヴェローナでも有数の名家、モンタギュー家とキャピュレット家は常に対立している。あまりのひどさが太守である公爵の怒りを買い、かれらは次に治安を乱したものが現れたら死罪だと言い含められている。

キャピュレット家の令嬢ジュリエットは、愛されて育てられたというのが滲み出ている、我儘なところのあるお嬢様。言い寄ってくるパリス伯爵を歯牙にもかけず、自由にふるまう様子はまだ子供だ。
ジュリエットよりも先に登場する、彼女の乳母が大典さん。キャストを聞いたとき、一番驚いたのも、一番想像が出来なかったのもこの大典さんの乳母だったのだけれど、第一声を聞いて更に驚いた。キャストを知らなかったら大典さんだとも、男性だとも思わないような、まさにおばさんだった。特に金持ちなわけでも上品な訳でもないけれど、優しい情に溢れているおばさん。すっごい!

乳母に支度するよう声をかけられたジュリエットの第一声は、「こんなヒラヒラはきらい」だ。ドレスが気に入らないと言う彼女は、不満を口にすることに慣れているお嬢様だ。そして、すっごく、かわいい…かわいいよかわいいよえええなにこれかわいいよたすけて!ラジオやフリートークでたまに神谷さんがやる、あからさまな裏声の女の子キャラとは当然ながら違って、高音だけれど自然な声色だ。
ジュリエットは我儘ばかり言うけれど、決して彼女の性格が悪いわけでもない。ただ、彼女には名門の家も、結婚して跡取りを迎えるという使命も、とにかく重い枷でしかない。幼いからか、それとも性格なのかは分からないが、着飾ってパーティに出ることに魅力を感じられないのだ。人を家で判断しない性格もあるだろう。生意気な口を聞くジュリエットと、そんな彼女に慣れっこであやす乳母のやりとりがいい。

モンタギュー家のロミオは冷めた青年。恋に破れたことで心を荒ませたままのかれを元気づけようと、従兄弟のベンヴォーリオが仮面舞踏会に誘いだす。街中の女性が集うそこに参加すれば、かれの恋の傷を癒す新しい恋に出会えるかもしれないと考えたのだ。問題は、その舞踏会会場が、憎きキャピュレット家で行われる、ということだ。仮面をつけているから問題ないと、かれらは舞踏会に乗りこむ。
必死に気を使う従兄弟の提案も舞踏会もくだらない、と苛立っているロミオは、まだまだ神経過敏な青年と少年の間くらいの年齢のようだ。若木のようなみずみずしさと、尖った感じがよく出ている。石田さんのこういう正統派なキャラクターって久々に聞いたような気がするのだけれど、無茶苦茶格好良かった。なんだろう凄く自然なんだけれど普通じゃない。その辺にいる男の子じゃなくて、ちょっと特別な男の子の感じがする。女の子が一目で恋に落ちてしまうのも分かるような、非凡な格好良さがある。

ばかばかしいと舞踏会から出たロミオと、伯爵に呆れられるようわざと粗雑にふるまった揚句料理をこぼして汚した服を着替えに席を離れたジュリエットは、偶然出会ってしまう。追いかけてくる伯爵を振り切ろうと、偶然そこにいたロミオとの熱烈なキスを見せつけるジュリエット。そこへロミオの顔や声を熟知している、ジュリエットの従兄ティボルトがロミオを見つけて追いかけてくるので、名前も知らぬまま共に逃げるふたり。ジュリエットはロミオの知らない道を教えて、かれが逃げる手助けをする。ティボルトは石川さん。いかにも気性が激しくて、ひとの話を聞かなさそうな感じが出ている。言葉よりも拳が先に出そう。
逃げ切ったロミオはジュリエットの顔を初めて直視して、一瞬で恋に落ちた。そして言葉もないまま口づけてくるロミオに、ジュリエットは「人を呼びます!」と焦って怒る。お前ついさっき同じことしただろ、とは言わない。このあたりの世間知らずっぷりお嬢様っぷりも可愛いのだ。

呼べるものなら呼べばいい、とうそぶくロミオの歯の浮くような台詞はシェイクスピア作品ならではだ。石田さんのロミオは仰々しくなくて、さらっとそんなことを言ってのける。軽口みたいな気安さと爽やかさで、深刻な愛を告げてくる。その言葉に、若いジュリエットは抗えない。彼女もまたロミオの瞳を見て、ひといきに恋に落ちてしまった。

失恋して以降傷が癒えなかったロミオは、名前も知らない少女と運命的な恋に落ちたのだと知る。知った直後現れた乳母によって、自分が心を奪われた彼女が、キャピュレット家のジュリエットだと知ってしまう。
ロミオが慌てて姿を消したあと、ロミオを探しているティボルトがジュリエットの元にやってくる。その特徴を聞いて、ジュリエットはかれこそがロミオなのだと知る。出会って、恋に落ちて、恋に落ちてはならない相手だと知った。しかしあまりに急激に劇的に始まってしまった恋は後に引けない。

落ち込みながらも庭に忍び込んだロミオは、ジュリエットが部屋の窓を開けるところに出くわす。全てが運命的で、かれらに味方をしているようだ。
ロミオが隠れていることなど知るよしもないジュリエットは、思いを夜空に向けて呟いている。有名な、あなたはどうしてロミオなの、のシーンだ。恋する少女の切なさと愚かさが混在するジュリエットの独白は可愛く、それをこっそり聞いて動揺するロミオも可愛い。

庭の薔薇がどんな名前でも香りに違いはない、の台詞に思わず「せつなさは夜の媚薬」のクラウディオを思い出した。薔薇は薔薇だ、と言ったあとに、自分達をロミオとジュリエットに喩えたクラウディオ・コルシバルディ・アルフィエーリさん…。

ジュリエットの思いを知ったロミオは、彼女に声をかける。夜にまぎれて顔もよく見えない、と彼女が呟いた直後、夜に娘の話し声がするのを不審に思って母が部屋を訪れた。必死に誤魔化して追い返して一息つくと、部屋にロミオがいる。顔が見えないと言ったから、見えるようにここまで来たのだと言うかれは、完全に冷静さを失っている。恋に浮かされ、両想いに浮かされている。
見つかったら殺されるから帰ってと言うジュリエットの言葉もロミオには通じない。敵の家に忍び込んで、しかも令嬢の部屋に潜り込んでいるのに、かれは全く危機感がない。それどころじゃないのだ。
そうこうしている間に、今度は父親の声がする。ジュリエットを呼ぶかれの声はどんどん大きく、近づいてくる。帰ってくれと頼むジュリエットに、ロミオは、愛の誓いをしてくれたら帰ると言ってきかない。あまりに早すぎるとジュリエットがいくら言っても、ロミオは聞かない。このままでは父が部屋にやって来て、ロミオは殺されてしまう。焦っても頼んでもロミオは譲らない。
父親が部屋の前で扉を叩いて、無理にこじ開けようとしているのに、ロミオは繰り返す。「誓うかい、僕と結婚すると?」と。この「誓うかい」が低音で異様に格好良かった。ギリギリの状況での駆け引きが、結末を知っているのにハラハラさせてくれる。
そして根負けした彼女は、数時間前に会ったばかりの男に、結婚の約束をした。「誓います」と父に聞こえないように小さな声で言ったジュリエットに、ロミオは更に「聞こえない」と嬉しそうに言う。そしてジュリエットは高らかに宣言し、二人は結婚の約束をする。

舞踏会での粗相が原因で自宅謹慎を言いつけられたジュリエットは、ロミオとの仲を乳母に取り持って貰う。ジュリエットと乳母のやりとりは、親子のようでもありおばあちゃんと孫のようでもあり、微笑ましい。身分が下だからというよりは、ずっと一緒にいる家族よりも近い存在だからこそ、ジュリエットはばあやに我儘を言う。ばあやはお小言を挟みながらも、可愛い彼女のお願いを聞いてしまうのだ。
水を得たようにぽんぽんと言葉が飛び出すジュリエットに、ばあやは結局甘い。僅かな味方だけをたよりに、二人は秘密の結婚式を迎える。

二人の結婚を知る者はほとんどいない。しかしこの結婚が、長年に渡る両家の抗争の終結に役立つのではないかとロレンス神父は考えた。ロミオはその言葉を信じ、両家の和解に尽力しようと思っていた矢先、友人のマキューシオがジュリエットの従兄のティボルトと争っているところに鉢合わせる。必死に諌めようとするも、両者の因縁は深い。ロミオの態度がマキューシオを怒らせ、二人はとうとう剣を抜いた。辞めさせようと割って入るロミオが陰になり、ティボルトの剣がマキューシオを貫いた。息も絶え絶えのマキューシオはロミオを責め、キャピュレットもモンタギューも呪ってやる、と恨みの言葉を吐いて死んだ。この辺りの展開がちょっと早すぎて、ついて行きづらかったけれど、友人の死に激怒するロミオの呻くような叫び声がすごかった。
感情のままにティボルトを追ったロミオは、かれを殺してしまう。

治安を乱せば死罪と言われていたけれど、ロミオは温情をうけ、翌日街から追放されることになった。この街に、ジュリエットのいる街に戻れないということは死も同然だと嘆くかれだったが、神父がいずれ引き合わせると約束してくれた言葉を信じ、生きてゆこうとする。
最後の夜を過ごした二人は、朝、目を覚ます。鳥や天候を見て朝だと言うロミオに、無理やりまだ朝じゃないと言うジュリエット。本当はもうそこまで朝が来ていると知っていて、離れたくなくてそんなことを言うジュリエットの稚拙さがいとしい。ロミオは柔らかく笑って、「じゃあ、僕はもう捕まってもいい」と言う。ジュリエットへのあてつけなんかじゃない、その瞬間の素直な気持ちだ。若いかれらには、先の事なんて考えられない。今一緒にいたい、それがすべて。ここのロミオがもう、もうもうめちゃくちゃ格好良いの…!自分の中にこんな真っ当な乙女心が残っていることに驚いた。

「話そう、もっと。まだ朝じゃない」と言うロミオの言葉に、けれどジュリエットが我にかえる。「やっぱり、朝だわ」と弱々しく告げる彼女は、自分の今よりも二人のこれからを選択した。死ではない未来に賭けようとした。少しずつジュリエットの声が震えていくのがまたいい。泣きだしそうな気持ちを堪えて、夫を送り出そうとしている。
ロミオを送りだしたのと入れ違いに部屋に来た母親に、ジュリエットは普段通りの態度をとる。身を引き裂かれるほどのかなしさも寂しさも呑みこんで、悟られないようにふるまう彼女は、もう何も知らない少女ではない。

父親に呼ばれたジュリエットは、パリス伯爵との結婚を言いつけられる。既に自分はロミオとの永遠の愛を神に誓った身だし、何より好きでもない相手と結婚なんて絶対にしたくない。それが出来ないのならば死ぬ覚悟だと泣きついてきたジュリエットに、神父は危険な手段を持ちかける。かれらが追っ手に悩むこともなく生きていくためには、その方法しかなかったのだ。

そのあとも原作通りことが進み、目覚めたジュリエットは傍らで毒を飲んで死んでいるロミオを見つけて死を選ぶ。無意味な争いに巻き込まれた男女、運の悪すぎる恋人たち。ジュリエットがロミオに触れて、「まだ暖かい…」というところが残酷でたまらない。本当についさっきまで生きていたのだ。もう少しロミオが死を決意するのが遅ければ、全てがうまく行った。ジュリエットが目覚めるのがあと僅かだけ早ければ、何もかもがうまく行った。切ない。今更よくできた物語だな、と感心してしまった。

これまでのメンズオンリーシリーズ同様に、話のつくりというか長い原作の端折り方はそれほど巧いとは思えない。原作の知識ありきで聞く分には構わないが、何も知らずに聞いたら何をしているのか分からない部分や謎の残る展開もあるだろう。二枚組にしてたっぷり聞かせて欲しいんだけれど、この一枚のお手軽さが良いのかもなあ。駆け足で話をさらうダイジェスト版、という感じ。
しかしながら石田さんのロミオはまさにヒーローらしい格好良さだし、神谷さんのジュリエットは贔屓目込みにしても腹が立つほど可愛いし、大典さんの乳母は紛うことなき乳母だし、それを期待していた身としては十分すぎるほどに満足。ただ前二作に比べると、脇の女性役がちょっと物足りないかも。どちらのお母さんもあんまりお母さんという感じがしなかった。その分大典さんの凄さを実感できるのだが。

本編CDの最後のトラックは、石田さん司会でキャスト全員の一言コメント。大典さんが石田さんに弄られてた。「キャーヒロシーカワイイー」と棒読みの黄色い声を上げる大典さんであった。

初回特典の同梱CDは、石田さんと神谷さんの20分ほどのフリートーク。基本的に二人とも真面目なんだけれど、ちょいちょい面白いことを挟んでくる。石田さんってこんな人だったっけ…こんな人だったな、そうだな…。
神谷さんが、蜷川幸雄演出、藤原竜也・鈴木杏主演の舞台「ロミオとジュリエット」を見て、感動したという話をしていた。わたしもこれを見に行って、正直いまひとつだなあと思ったのだけれど、神谷さんの熱弁を聞くと、そういう見方もあったのねと思わされた。面白い。

ブックレットの一言コメントの神谷さんに噴いた。
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posted by: mngn1012 | 音源作品 | 11:34 | - | - |

神谷浩史+小野大輔「熱愛S・O・S!」

ニンテンドーDSソフト「Dear Girl~Stories~響 響特訓大作戦!」の主題歌を含むCD。ゲーム発売から結構経ってようやく発売。

最初にこのジャケットの画像を見たときは何事かと思った。コラージュなのかとも疑ったのだが、本気でした。どうしたんだ。卒業アルバムみたいな手作り切り貼り感がおかしいんだけど、そのおかしみも含めてDGSか。

・「熱愛S・O・S!」
ゲームディレクターである岩崎大介の作詞。散々言われてることだけど「イワサキ」で「ダイスケ」ってどんだけDGSと運命的なんだこの人。
岩崎さんの作詞した曲は何曲か聴いたけれど、どれもこれも歌詞が凄かった。よく考えると意味がわからないんだけれど、よく考えてはいけない、よく考えられないだけの力がある。魅力であり、引力的でもある。なんかもうそのテンションで最初から最後まで突っ走ってゴーーール!!!みたいな。よくわかんないけどそういう感じ。

世界観としては僕に恋させた罪で君を逮捕しちゃうぞ、的な。イエー的な。

明るくて楽しくて騒げる曲に、言葉が沢山詰め込まれて乗せられている。オレンジのジャケットがぴったりの、そういうヴィヴィッドな色合いの曲。かわいい!それだけでも凄いのに、更には「DokiDokiさ 事件(こい)はもう止まらない」なんていう、おいおい岩崎さんどんだけラジオ把握してんのよ、っていうフレーズも練りこまれている辺りが嬉しい。そしてドキドキはまさかのローマ字である。

そして神谷さんは断然こういうアップテンポの曲の方が向いていると思う。ミディアムテンポのバラードよりもうまく聴こえる。「ハレノヒ」でかなり歌と真摯に向き合ったお陰なのか、歌に小技が利いていてびっくりした。歌うことの楽しさ、みたいなものが感じられるようになってきていたらいいな。
小野さんは安定している上に、台詞で色々遊んでいるのが楽しい。確保ー!


・「ねこまっしぐら」
こちらも岩崎さん作詞。
本人が猫好きの神谷さんに捧げたなんてブログで書いておられたように、猫の可愛さを表した歌詞だけれど、猫みたいに気まぐれで可愛い好きなひと、のこととも取れるような。
ちょっと昭和っぽいというか、90年代のポップス臭がして安心する。アイドルのアルバムに入ってそうな曲。こっちもかわいい。


・「どもども、ナマステ先輩です。」
大体DGSの3曲目は鬼門である。ある程度1,2曲目はちゃんとした、アイドル声優っぽい曲になっているんだけれど、この3曲目で大きく持ち崩す。蓋をしてもラジオらしさが溢れてくるというか、大丈夫だよ作り手はちゃんとラジオの方向が分かってるよ、とこの3曲目が無言で示してくれている。それがDIRTY AGENTだったりドリアントランスだったりカミヤハウスだったりするのだ。
で、今回はナマステ先輩。最初に出てきたときは単発ネタかと思ったら、その後も数回使われている。しかもゲームの同梱CDや他のラジオ番組など、思いがけない大舞台にやってくるのだから侮れない。

小野さんにはかの名曲「コミックシルフ持って来て」の歌があるけれど、よく考えれば神谷さんがフィーチャーされた曲って初めて。
で、これがどういう曲かというと、とにかくナマステ先輩が喋り倒しているだけである。途中からは小野さんも呼ばれて出てくるけれど、それも殆ど先輩に笑ったりちょっと突っ込んだりしている程度。

果たしてナマステ先輩が何を喋っていたのか、というとよく分からない。面白いけれど分からない。それでいいのだと思う。いつもの調子でまくし立てて、オヤジギャグも盛り込んで、一人でウケて笑っている。先輩たのしそうです!スカイラブコミュニケーションとかカーマスートラとか、もう、それ意味じゃなくて字面っていうか音とノリで可笑しいんだ。
ナマステ先輩はお洋服がお好きなので、小野さんの洋服の値段も当てちゃうよ。下世話だよ。

曲としても企画としても、これまでのCDの中で一番好きかもしれない。
1枚目の背中がむずがゆくなるような感じも好きだけど!

web拍手
posted by: mngn1012 | 音源作品 | 20:09 | - | - |